2011年3月
2011年3月31日(木曜日)
トランスセクシュアルへの配慮
公開: 2011年4月3日19時55分頃
これは非常に興味深いお話ですね……「Googleによるトランスセクシュアルへの配慮の事例 (yugui.jp)」。
Googleの採用ページには、「性別、生年月日、年齢、門地、兵籍、国籍、個人識別番号等を書くな」とある。これらは確かに採用に当たって能力を測るには必要がない。またこれらの情報を知らなければ、性差別をするつもりなのではないか、年齢差別をするつもりなのではないかと勘ぐられずに済む。合理的である。
うちの場合 (www.b-architects.com)は履歴書に性別を書くように求めていますね。トランスジェンダーやゲイの人もふつうに採用している実績があるのに、なんでだろう。「法律上の性別」が必要なのですかね。
- 「トランスセクシュアルへの配慮」にコメントを書く
関連する話題: 思ったこと
なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか
公開: 2011年4月3日16時50分頃
平積みされている新書が何となく目に付いて、何となく買う事ってありますよね。そんな感じで買ったのがこの本です。
- なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか (www.amazon.co.jp)
あえてはっきり言いますが、トンデモ本でした。
……誤解も多いようですが、「トンデモ本」の定義は「著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本」です。必ずしも内容が間違っているということを意味しません。はっきりしているのは「楽しめる」ということです。以下、私が楽しいと思った記述を少し引用してみます。
「民団」とは、いうまでもなく「在日本大韓民国民団」のことである。民団の設立は、一九四六年十月と歴史は古い。
ウィキペディアの情報によると、韓国政府が、運営資金の六割から七割を負担し、日本国内の、三〇〇を超える拠点で活動を行っている。
以上、p66 より
ウィキペディアって。なんでウィキペディアなんですか。百歩譲って、せめていつの時点での情報なのか書いてくださいよ。
パチンコ店の店員も依存症になる。ミイラ取りがミイラになるのである。それだけ、パチンコには人を虜にするものが潜んでいる。筆者は、リーチの動きに、サブリミナル効果のようなものが仕組まれていると睨んでいるのだが……。
以上、p81 より
「ミイラ取りがミイラになる」って……? と思っていたら、「サブリミナル効果のようなものが仕組まれていると睨んでいる」と来て爆笑してしまいました。もちろん、これは単に著者が「睨んでいる」というだけであって、根拠は示されていません。
オムロンは、次のように報告している。
出願番号・特許出願二〇〇二-五七六七四
(~中略~)
これは、以前はオムロンのホームページで紹介されていたが、現在は載っていない。
以上、p108 より
「報告している」って……これ、どう見ても特許でしょう。特許・実用新案公報DB (www.ipdl.inpit.go.jp)にアクセスして、文献種別「A」、文献番号「2003-251059」を入力すれば、今でもちゃんと見られますよ。
※JSが有効でないと動かない上に、やたら使いにくいですけどね。
ネットで、次のような書き込みがあった。
俺さ、パチンコ屋で働いていたのよ。お客さんの中にさ、負けても負けても、毎日通ってくるオバちゃんがいたのね。
(~中略~)
んで、ある日、「今日はあのオバちゃんこないねぇ」って言ってたら、次の日、隣町のパチンコ屋のトイレで首つってたよ。
(~中略~)
実にリアルな書き込みである。気のいいパチンコ店員の若者が、パチンコ店の現状を直視して、ついに耐えられなくなって辞めたことが素直に書かれている。
以上、p85 より
出典を明示していない時点でどうかと思いますが、これを読んで「実にリアル」と思うあたり、著者はちょっと人が良すぎるのではないかと思いました。どうしてオバちゃんは毎日通っていた店ではなく「隣町のパチンコ屋」で死んだのでしょうか。そして、この人はどうやってオバちゃんの死を知ったのでしょうか。……と、いきなり疑問がわいてくる感じなのですが。
サムスンの特徴は広告費の高さにある。儲かっているから気前よく広告費を使う。世界の主要な空港では必ずと言っていいほど、サムスンの巨大な広告が目を引くことになる。
サムスンの広告宣伝費は、売上高の3%といわれている。売上げが一〇兆円あるので、三〇〇〇億円が広告宣伝費に使われていることになる。これでは、日本のメーカーが適うわけがない。
以上、p172 より
いやいやいや。概算すぎるというのは置いておくとしても、せめて日本のメーカーの数字を挙げて比較してくださいよ。それなしに「適うわけがない」と言われても納得できませんよ。後で自分で調べてみよう……と思ったのですが、それには及びませんでした。
二〇〇九年一月のデーターでは、年間の広告宣伝費の一位がトヨタで四八四五億円。二位のソニーが四六八七億円。三位のホンダが三七五七億円である。
以上、p183 より
ちょ、ソニーのほうが広告宣伝費が多くなっているじゃないですか。サムスンの1.5倍以上あるじゃないですか。わずか10ページ前に言ったことを否定するデータですよね。
……とまあ、こんな感じで、トンデモ本としては非常に面白いです。
テーマ自体も非常に面白いと思いますし、興味深い話もたくさんあるのですが、役に立つ本かどうかといわれると厳しいところではあります。韓国と日本との違いなどをもう少しきちんと分析できていれば良かったかもしれません。
※データまわりに関しては、編集者がもう少し頑張れたのではないかという感じもするのですが。
2011年3月30日(水曜日)
反原発と推進派の二項対立という分析は妥当なのか
公開: 2011年4月3日15時10分頃
こんな記事が……「反原発と推進派、二項対立が生んだ巨大リスク (business.nikkeibp.co.jp)」。
福島県に原発が作られるようになったのは地元がそれを求めたことが大きい。1960年には福島県議会が東京電力に原子力発電所用地の提供を申し出て、61年には大熊町、双葉町議会が原発誘致の決議をしている。当時、「原発が来ればこのあたりは仙台のように栄える」と言われたそうだ。
(~中略~)
そんな状況の中で、原発依存を続ける方針を採るなら、既に取得された場所の中で増炉や使用済み燃料の保存を行うしかなくなった。福島第一原発が、敷地内に立ち並ぶ6機の炉が連鎖的に破壊される恐怖で国民をおののかせたのは、そうした過去からの経緯による。つまり人災化の過程で反原発運動と原発推進の国策、電力会社の施策が絡み合い、リスクを肥大化させてきていたのだ。
以上、http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110328/219175/?P=3 より
これは鋭い視点だと思います。今回の事故については東京電力を批判する論調が多いように思いますが、実際には電力会社、地元の誘致派、国、というプレイヤーが複雑に絡み合っているということですね。各プレイヤーは一見すると皆「推進派」であるように見えますが、実際にはそれぞれ異なる思惑を持っているわけです。「反原発と推進派の二項対立」という視点では見落としてしまうものがあるのではないか、ということですね。
と、ここまでは良いと思ったのですが、最後のページで引っかかりました。
こうした構図はゲーム理論でいう「囚人のジレンマ」に通じる。囚人のジレンマとは逮捕され、別々に独房に収監された2人の囚人が、互いに相手は口を割らないと信じて黙秘を続ければ取り調べは暗礁に乗り上げ、両者とも無罪放免されるのに、実際には相手を疑い、仲間が自分を裏切るかもしれないので、ならばその前に自分から仲間を裏切って司法取引に応じてしまおうと考えることだ。こうして両者がそれぞれに事件の真相を自白した結果、両者とも罪が確定し、刑に処される。
なぜ2人の囚人が最大の利益を得られない結果にみすみす至ってしまうのか、それは、人は利己的な生き物であるという前提=利己心仮説が導く必然である。相手は利己的であり、自分を裏切るだろうとあらかじめ疑ってかかる。その前提において、相手を信じずに自分の利益のみを最大化しようとした結果、両者の利益の最大化がなされない。
以上、http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110328/219175/?P=4 より
これは少し誤解があるように思います。「囚人のジレンマ」では、各プレイヤーは「裏切り」を選択することになりますが、これは相手を信じられないからというより、それが最適だからです。相手が絶対に裏切らないという自信があったとしても、「裏切り」を選ぶことが最適となります (そうなるように設定されている)。
※ただし、これは1回勝負の場合の話です。同じプレイヤーが何度も当たる場合には、前回の相手の選択を見て行動を変えるという要素があるので、協調を選ぶことが最適となる場合があります。「しっぺ返し」という戦術がよく知られています。
「囚人のジレンマ」は、全てのプレイヤーが理性的に正しい選択をしている状態 (ナッシュ均衡) であるのに、全体としては利益が最適の状態 (パレート最適) にならない場合があるという話です。カイジ (www.amazon.co.jp)にありがちな信頼と裏切りの心理戦ではありません。
その後いろいろ続くのですが、正直なところ良く分かりませんでした。疑問に思ったことを箇条書きに。
- 反対派・推進派という二人のプレイヤーしか登場していないが、簡単には二分できないのではないか。少なくとも、地元の振興を目的とした「誘致派」と国策としての原子力を推進する「国策派」を同じ目的を持ったプレイヤーとみなすべきではないように思える。
- 反対派・推進派それぞれにとっての最適戦略は何なのか。これがわからない。
- そもそもこの場合、推進派のメリットは同時に反対派のデメリットであって、単なるゼロサムゲームではないのか。
- 反対派に「もはや反対運動をやめる」という選択肢があるのはおかしくないか。「反対運動をやめる」という選択をしたプレイヤーは、もはや「反対派」に分類されないのではないか。
- そもそも、反対派が反対活動をやめるという状態は絶対にあり得ないのではないか。反対派の中には、強行に活動する人もいれば、考えとしては反対だが特に活動はしない、という人もいるはず。そして、反対派が一人残らず後者になることはあり得ない。
- どのような状態がパレート最適であるのか。これがわからない。
- 各プレイヤーには正しい情報が与えられていたのか。単に知識がなかったために選択を誤ったという話はないか。たとえば、推進派の中でも「地元誘致派」だった人は、今この時点でも変わらず「推進」という選択をするだろうか。
そもそも、完全に「反原発と推進派の二項対立」という視点になってしまっているのがよろしくないのではないかと思います。そういう視点では見落としてしまうものがあるのではないでしょうか。
2011年3月29日(火曜日)
情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ改訂、情報非開示依頼の取下げが可能に
公開: 2011年4月2日23時55分頃
情報セキュリティ早期警戒パートナーシップが改訂されました……「「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン」の2010年版を公開 (www.ipa.go.jp)」。
「情報非開示依頼の取下げ」という手続きが追加されていますね。
11)情報非開示依頼の取下げ
IPA は、起算日から1 年間以上経過した届出について、発見者から情報非開示依頼の取下げが求められた場合、これを取り下げます。そのとき、製品開発者が正当な理由により対応に時間を要する場合、IPA はその状況を取下げを求めた発見者に適切に説明し、発見者が情報開示の必要性を客観的に判断できるようにします。
以上、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン Ⅳ.ソフトウエア製品に係る脆弱性関連情報取扱 3.IPA およびJPCERT/CC の対応 (1)IPA 11)情報非開示依頼の取下げ より
IPAに届け出た脆弱性関連情報は、公開しないように求められます。脆弱性が修正されるなどして取扱終了になると、公開できるようになります……が、困るのは、なかなか修正されずに取扱が続くケースです。こういう場合にどうするのかは前から問題になっていて、それを受けて今回、このような手続きが用意されたのでしょう。
これを使えば、あんなサイトの脆弱性が公表できる……と思って早速メールしてみたのですが、情報非開示依頼ができるのはソフトウェア製品の脆弱性だけで、ウェブサイトは対象外とのこと。確かに、言われてみればソフトウェア製品のところにしか書かれていないですね。これは失礼いたしました。
ちなみにこの制度、4月1日から運用開始となるそうです。それ以前に届け出られたものについては、2011年の4月1日を「起算日」として計算するそうで。実際に取り下げが可能になるのは2012年の4月からですね。
なお、ウェブサイトの脆弱性に関しては発見者からの取り下げ依頼は出来ないものの、扱いが長期化しているものについては随時取扱い終了としていく予定であるようです。
※IPAから何十回も修正を促されているのにシカトしているような人は、それなりに覚悟しておいたほうが良いかも。
関連する話題: セキュリティ / IPA / 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ
2011年3月28日(月曜日)
崩壊と半減期
公開: 2011年4月2日21時45分頃
既に削除されていますが、http://twitter.com/ikedanob/status/52400301336035328 にこんなツイートがありました。
「マッチ箱」の話は、ヘリコプターからプルトニウムをばらまいて東京都民が吸い込んだら、分子1個でも死ぬという話で、現実的なリスクではありません。でもそれぐらい強力な毒性があるということ。
分子1つで影響が出るという話は明らかに怪しく、まるでホメオパシーです。もっとも、このツイートはすぐに削除されていますし、べつに糾弾したいわけではありません。私が興味深いと思ったのは、一瞬であれ「分子1個で死ぬ」と思ってしまう人がいるというところです。ふと思ったのですが、1つの原子が永遠に放射線を出し続けるものと誤解されているのではないでしょうか?
放射性元素は崩壊して放射線を出し、別の元素に変わります。ですから、原則として1つの原子が放射線を出す機会は1回だけです。崩壊でできた娘核種がさらに崩壊するというパターンもありますが、いずれにしても無限に放射線を出し続けることはありません。あらゆる放射性物質は、崩壊によって自然に量が減って行くのです。
その崩壊はランダムに発生するのですが、崩壊のしやすさは核の種類によって決まっていて、減りの速さも決まっています。この減りの速さを表すのが「半減期」です。「ヨウ素131の半減期は8日だから……」という話を良く聞くと思いますが、これは、8日間放っておくとだいたい半分くらいが崩壊するという意味です。
プルトニウムの代表格であるプルトニウム239の場合、半減期はおよそ2万4千年です。プルトニウム239の原子が1つあったとき、2万4千年の間に崩壊するかしないか半々の確率です。プルトニウムの原子を1つ吸い込んでも、人が生きている間に崩壊する可能性はかなり低いと言えるでしょう。崩壊したとしてもアルファ線が1回出るだけですから、それで何か劇的な変化が起きることはありません。
また、半減期がそれだけあるということは、過去の核実験で放出されたプルトニウムがいまだに生きて環境中に存在しているということでもあります。既に、ほとんどの人が微量のプルトニウムを吸い込んでいるはずです。
……と書くとプルトニウムが安全であるように思えるかもしれませんが、そうでもありません。微粒子の中にも、膨大な数の原子が含まれています。ちゃんとは計算していませんが、原子1000兆個で0.0004mgというくらいのオーダーです。原子1つは数万年に1回しか放射線を出しませんが、数が集まれば常に放射線が出続ける状態になります。それなりの量を吸い込むと危険ということです。
ゆゆ式3
公開: 2011年3月31日1時20分頃
待望の3巻。
- ゆゆ式 3 (www.amazon.co.jp)
2年生になっても相変わらず、ゆずこのボケが面白いです。「湾曲した角♪」はかなり笑わされてしまいました。それから、唯にののしられまくったゆずこが「そんなにいっぱい言う?」というシーンが好き。あとは、テンションを上げすぎて飲み物をこぼしたゆずことか。って全部ゆずこですね。
お祭り、文化祭のイベント……の回想シーンのみ登場。言われてみればイベントらしいイベントの描写がありませんが、意図的に避けているということなのでしょうね。
しかし夏侯惇ネタとかマニアックですね。目玉を食らうエピソードは三国志演義の創作らしいですが。ちなみにポリアネスは検索で既にヒットするようになっています。
ムダヅモ無き改革6
公開: 2011年3月30日23時5分頃
購入。
- ムダヅモ無き改革 6 (www.amazon.co.jp)
ラグナロク編完結。
見所はなんと言ってもファイナルライジングサンでしょう。1巻ではまさかの4ページ見開きで度肝を抜かれましたが、その上を行くとは……いや、予想は容易にできましたが、まさか本当にやってしまうとは思いませんでした。
※実はよく見ると帯に「ファイナルライジングサン絵巻」の写真が出ていて、ちょっとネタバレ気味だったりします。
あと、やっぱりアシモですかね。ファミコンのロボットとか、エンジンとか、まさかのあの技とか。現実世界のアシモは震災では活躍できない (twitter.com)というお話ですが、ムダヅモ世界のアシモはバリバリ活躍しそうです。
2011年3月25日(金曜日)
もやしもん10
公開: 2011年3月26日22時40分頃
購入。
- もやしもん10 限定版 (www.amazon.co.jp)
通常版 (www.amazon.co.jp)もありましたが、限定版の方を購入。限定版の方が安いのですが、廉価版仕様になっていて、カバーが付いていなかったりします。通常版の方がクオリティは高いはずなので、あえて通常版を選択しても良いかもしれません。
中身は……某国編。どこの国なのかは途中まで伏せられているので、いちおうここでも伏せておきます。まあ、限定版では表紙・裏表紙で完全にネタバレしているという説もありますが、気にしない方向で。
レギュラーメンバーの家族が出てきたり黒ゴスvs白ゴスがあったりして、ドラマ的にはかなり盛り上がっているはずなのですが、すこし物足りない感じがしてしまいました。菌の活躍がちょっと少ないからでしょうか? やはり、もやしもんの醍醐味は菌の活躍と、菌についてのうんちくでしょう。もっと菌を!!
※個人的に衝撃だったのは、巻末の笑い飯に関する暴露話。笑い飯は知らないって言っていたはずなのにっ……。
2011年3月24日(木曜日)
2011年版10大脅威
公開: 2011年3月26日16時55分頃
2011年の10大脅威、公開されました……「2011年版 10大脅威 進化する攻撃...その対策で十分ですか?」を公開 (www.ipa.go.jp)。おつかれさまでした。
今年も投票等に参加させていただいていますが、投票の前から個人的に最も注目していたのが、6位入った「セキュリティ対策不備がもたらすトラブル」。末尾の部分で、岡崎市立中央図書館事件について触れられています。さりげなく言及されている程度に見えると思いますが、実は、当初は図書館事件にがっちりフォーカスした内容になっていました。これが6位にランクインしているのは、「図書館の問題をもっと知ってもらいたい」と考えている人がそれなりに多いということだと思って良いと思います。
他に注目すべき点は、7位の「携帯電話向けウェブサイトのセキュリティ」でしょうか。いわゆる「かんたんログイン」の危険性は前から言われていましたが、2010年は実際に問題が起きた事例がいくつもありました。このあたりは真剣に取り組んでいきたいところです。
関連する話題: セキュリティ / IPA / 岡崎市立中央図書館事件 / librahack
2011年3月18日(金曜日)
魔法少女まどか☆マギカ2
公開: 2011年3月19日15時40分頃
購入。
- 魔法少女まどか☆マギカ2 (www.amazon.co.jp)
Amazonで注文していたのですが、予定日に配送できない旨のお詫びメールが来て残念な思いをしていました。そして今日、リアル書店で見かけたので購入。「もうAmazonには頼らない」(ほむらの声で)、ということでAmazonのほうはキャンセル。
内容ですが、アニメよりもシビアな描写がけっこうあるようですね。特に、さやかが電車内で……というシーンでは、血を滴らせる剣のシルエットと思われる描写があったりして。
ちょっと残念なのは、シリアスなシーンに誤植があること。特に「さやかあちゃん」は脳内で「さや母ちゃん」に変換されてしまうのが厳しいです。次の版からは直るのではないかと思いますが。
関連する話題: マンガ / 買い物 / 魔法少女まどか☆マギカ
2011年3月16日(水曜日)
放射線の数値がよくわからない
公開: 2011年3月19日13時35分頃
放射線の話が連日報道されていますが、どのくらい被曝するとどうなのか、というのは分かりにくいですね。報道ではいろいろな比較がなされていますが、これが実に分かりにくいと思います。
- 通常の被曝量との比較 …… 通常のn倍、みたいな報道がありますが、さっぱり分かりません。通常の線量がどのくらいなのかなんて知りませんから、その数百倍と言われても何の参考にもなりません。そもそも、放射線量は標高や地質等に左右されるので、住んでいる場所によって大きな差があります (標高が高いと宇宙線の影響を受けやすくなり、花崗岩の多い地質だと大地からの線量が増える)。
- レントゲン撮影との比較 …… 医療行為による被曝には上限値が設けられていません。身体に負担がかかるとはっきり分かっていても、より大きなメリットがあるなら実施した方が良いからです。つまり、医療行為として実行されているから安全、とは言えないのです。医療行為による被曝は参考にすべきではありません (レントゲン撮影も、無意味に受けたりしない方が良いものです)。
- 温泉との比較 …… 温泉に24時間365日つかり続ける人は少ないはずです。放射線が出続けている場合と単純には比較できません。
そのようなたとえ話ではなくて、単純に「○μSv/h 以上になったら要注意、×μSv/h以上なら避難した方が良い」というような情報がほしいのですが、これがなかなかありません。放射線に関しては、被曝量がいくつまでなら安全という明確な閾値がないので、そういう数字は出しにくいのでしょう。
勝手にテキトーに考えてみると、普通の人が1年に浴びて良い放射線の量は1mSvとされていて、1年は8760時間です (閏年でない場合)。ということは、0.1μSv/h程度の放射線であれば、1年間ずっと浴び続けても問題ないことになります。
逆に、どのくらいから危ないのか、となるとこれが難しいです。一つの目安として、5.8μSv/hの放射線を1年ずっと浴び続けると、原子力関係従業者の年間許容量である50mSvを超えることになります。この状態が1年続くことはないと思いますし、屋内にいれば被曝量は少なくなりますから、直ちに危険というわけではないと思いますが。
2011年3月15日(火曜日)
日常(六)
公開: 2011年3月18日14時20分頃
待望の日常(六)、届きました!!
- 日常(六) オリジナルアニメDVD付き限定版 (www.amazon.co.jp)
パッケージが……いや、もちろんそんな意図はないのでしょうが、どうしても、最近何度も見た映像とシンクロしてしまいます。
中身はコミック6巻と、DVD「日常の0話」。
コミックは相変わらず面白いです。6巻まで来てもなぜか飽きない「日常」クオリティ。師範代の自転車だけでずいぶん笑わされてしまいましたが、構図の面白さ、シチュエーションの面白さ、シュールさと、同じ「自転車」という素材なのに笑いのパターンが全く違っていて、だから飽きないのかもしれません。
印象的だったのは、やはり囲碁サッカー。セクシーコマンドー (www.amazon.co.jp)を連想しますが、シュールさではこちらの方が上です。「足にはさんだボールが曲者」と言われてもさっぱり分かりませんが、それが面白い。
あと、はかせの「かってかって」と、ゆっこの「くわがた」にも爆笑させられてしまいました。他にも笑いのツボがたくさんあって、コミックスは大満足です。
DVDのほうも、かなり良かったと思います。ゆっこが吹っ飛ばされる動きはなかなか凄いし、なのがはかせの手をくっと掴んで止める動きが可愛かったりして、非常に良いです。
ただ欲を言うと、劇画調になってくるようなシーンをアニメで見てみたかったですね。たとえば校長vs鹿とか、校長vsカラスとか、ゆっこから逃げるみおとか、みおのドラゴンスクリューとか、そういう動きのあるシーンをアニメで見たいです。今後に期待します。
2011年3月13日(日曜日)
あやしいお話
公開: 2011年3月18日13時30分頃
Twitterを見ているとさまざまな情報が飛び交っていますが、中には相当怪しい話も相当数混ざっているようです。RTする前に、以下のようなことを心がけると良いかもしれません。
- 非公式RTは無視する
- 公式RTされている場合は、元ツイートをしたユーザーのタイムラインを確認する。自身に関するツイートや他ユーザーとのやりとりが全くなく、感動エピソードだけが並んでいたり、特定の思想傾向に沿ったツイートだけが並んでいたりする場合、それはおそらくデマ発信専用アカウントだと思われます。
- 客観情報を含まない情緒的なツイートはRTしない。特に、感動エピソードに注意。
- できるだけ、真偽を自分で調べてから、ソースのURLをつけてツイートするようにする。
- 同じ話を別の人がツイートしていても信用しない。
なお、デマは悪意によって広まるのではなく、善意や使命感によって広まることに注意しましょう。「東京電力に勤めている友人」とか「自衛隊員の友人」の感動エピソードが結構流れていましたが、調べてみると辻褄が合わない話も多いです。友人からの伝聞という形で語られている感動エピソードには、かなりの割合でデマが混ざっていると思った方が良いでしょう。
※本人がツイートしていて、かつその人のタイムラインが変でない場合は、ある程度信用して良いと思います。
流量が多い話を信用しないと言うのもポイントだと思います。人は、複数の人から同じ話を聞くと信じてしまう傾向があります。
人は、複数の人間から話を聞けば聞くほど、その話を信用しやすくなる。誰かひとりがデタラメを言っていれば聞く耳を持たなくても、その数が増加していけば「もしかすると」と思ってしまうのである。幽霊や宇宙船、さらには超能力だの当たる占い、その手のくだらないオカルト話を信じてしまう人がいるのも同じことだ。
以上、「オレオレ詐欺はもう古い」こそ「もう古い」。再度猛威を振るう「新型オレオレ詐欺」。悪党どもの手口を「全部暴露」して予防法を伝授! より
これがTwitterのRTの仕組みと実に良くマッチします。同じソースからの情報が違う経路で複数回RTされてくることが多いからです。複数の人が同じ事をツイートしたりRTしたりしていても、頭ごなしに信じない方が良いでしょう。
今日気になった、複数の人がツイートしているけれど真偽の分からないものを、いくつかメモしておきます。
辻本清美 幻のビラ
阪神大震災の際、辻本清美がコピー機を携えて現地入りし、「自衛隊から救援物資をもらってはならない」というビラを大量にまいた……という話が複数の経路からRTされたりツイートされたりしてきました。
普通に考えてそんなことはしないと思いますし、「コピー機を携えて現地入り」という妙なディテールも、よく考えると現実離れしています。コピー機はどこに置いたのでしょうか。電源や紙はどうやって調達したのでしょうか。印刷したビラを持って現地入りした方が効率が良くはないでしょうか。
実際にビラが大量にまかれたのなら、そのビラが映った写真や画像をだれかが公開している可能性が高いと思います。しかし、少なくとも私が探した範囲では、そのビラの現物の写真を発見することができませんでした。
以上のことから、「阪神大震災の際、辻本清美がビラをまいた」という話は、真偽のかなり怪しい話であり、デマの可能性が高いと判断しています。もし画像を確認された方、あるいはマスコミ報道等のある程度信頼できるソースをご存じの方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただきたいと思います。
原発の老朽化は反対派のせいなのか
原発反対派のせいで新規の原発が作れず、老朽化した原発を使い続ける羽目になったのが事故の原因である、という旨のツイートが複数流れていました。
普通に考えると、確かに原発反対派は新規の原発に反対するでしょうが、だからといって老朽化した原発を使い続けることを許したりはしないでしょう。老朽化にも反対するはずです。とはいえ、「老朽化の問題に気付いていなかった」という可能性もあるでしょうから、実際にそういうことがあった可能性もあります。
ということで軽く調べてみることにしました。ちょうど日本共産党福島県議団の提言が話題になっていたので、その提言一覧 (www.jcp-fukushima-pref.jp)を確認してみると、老朽化した原発を運転し続けないようにという申し入れがたくさん見つかりました。
- 第二原発3号機の運転再開は認めず、議会で十分な議論をすべきです (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 第一原発4号機の運転再開を認めないこと (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 第二原発3号機の運転再開は認めず、議会で十分な議論をすべきです (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 東京電力(株)によるデータ改ざん問題についての申し入れ (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 中越沖地震から教訓をくみ出した対応を求める申し入れ (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- エネ協における原発「維持基準」の議論の在り方について (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 原発の維持基準導入についての考え方について (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 「原子力発電設備に係る健全性評価制度(維持基準)についての県議会の見解」について (www.jcp-fukushima-pref.jp)
2009年以降は老朽化や耐震基準の話はなくなり、プルサーマルの議論に比重が移っているようですが、数年前までは「老朽化した原発を使い続けないように」ということを強く訴え続けていたように見えます。
新規建設への反対は見あたりませんでしたが、これは単に古くて残っていないだけかもしれません。いずれにしても、老朽化した原子炉を運転し続けることについては明確に反対していたと言って良いでしょう。
以上のことから、「老朽化した原子炉を運転し続けることになったのは反対派のせい」という話はデマだと判断しています。
関連する話題: 出来事
2011年3月12日(土曜日)
福島第一原発がまずい状況
公開: 2011年3月18日13時30分頃
福島原発がまずい状況……福島第一原発1号機、燃料の溶融が進んでいる可能性 (www.asahi.com)。
ちなみに原子炉は地震と同時に停止していて、核分裂連鎖反応は起きていません。これは東京電力のプレスリリースで確認できます。
・福島第一原子力発電所 1~3号機 地震により停止(4~6号機は定期検査中)
・福島第二原子力発電所 1~4号機 地震により停止
というわけで原子炉は既に停止しているのですが、停止後の冷却に苦慮しているという状態ですね。
原子炉は停止しても高い熱を持っていますし、核燃料はしばらく崩壊熱を出し続けます。連鎖反応させていなくても、放射性物質は自然に核分裂して熱を出すのです。
※核燃料のウラン235自体は半減期が長く、自然に核分裂する確率が低めなので、大きな崩壊熱は出さないはずです。しかし、核分裂後にできた核種には半減期の短いものも含まれているため、使用済み核燃料からはかなりの崩壊熱が出ます。使用済み核燃料をプールでしばらく保管するのも、崩壊熱を取るためです。
崩壊熱が出ていても、冷却水がある間は問題ありませんが、冷却水が無くなると、金属も融けるほどの高温になります。最悪の場合、融けた核燃料が流れて一箇所に固まり、再臨界を起こす可能性もあります。それを避けるためには、原子炉が停止した後も水を循環させて冷やし続けなければなりません。
そのため、原子炉は炉心冷却装置 (ECCS) を備えていますが、炉心冷却装置を動かすためには電気が必要です。今回は地震と津波の影響で外部からの電力供給が受けられなくなり、バックアップ用のディーゼル発電も (おそらく津波の影響で) 動かなかったため、原子炉が冷却できていない状態のようです。
普通は、「停止」したらもう手を離しても安全と思いがちですが、原子炉の場合は停止した後も能動的に冷やし続けなければならないわけです。フェイルセーフの観点からは、これは非常にスジが悪いように思えます。しかし、核燃料が崩壊熱を出すことは原理的に言って避けられないので、何ともしがたいところです。
2011年3月11日(金曜日)
地震とTwitter
公開: 2011年3月17日0時35分頃
ひどいことになっています。私は家にいて無事だったのですが、出来事を端的に書いておきます。
- 大きめの揺れが長時間続く。本棚の類が大きくぐらつくも、倒壊には至らず。被害は、重ねて置いてあった鍋なんかが崩れた程度。
- 停電や断水は発生せず。テレビは見られる。
- ガスは止まっていた。が、ガスメーターの復帰手順を実施したところ問題なく復帰。
- ネットは全く繋がらない。ひかり電話も不通。
- 携帯電話も使えない。おそらく通話規制。
- ケータイ経由でのネットアクセスは、やや不安定ながら可能。モバツイはエラーが出たりしつつも使えたので、何度かリロードしたりしながら、なんとか「ネットに繋がらない」という旨をツイート。
ネット不通は光ファイバーの断線かとも思いましたが、NTT東日本のケータイサイトで確認したところ、地域IP網の設備故障ということでした。ひかり電話なので固定電話も繋がらなくなり、本当にTwitterが唯一の連絡手段になりました。モバツイのえふしんさんに感謝。
関連する話題: 出来事
2011年3月9日(水曜日)
レビュー内容が白日の下に
公開: 2011年3月15日21時55分頃
「自著を語る「体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践」徳丸 浩(ブックレビュー) (scan.netsecurity.ne.jp)」。
ディレクトリリスティング(ファイルの一覧を表示する機能)を抑止するための保険的対策として、初稿では、各ディレクトリにダミーのindex.htmlを入れておくという方法を紹介していた。この方法はベテランのセキュリティ屋にはよく知られたTipsだが、レビュアーの太田良典氏から異論が出た。全てのディレクトリにダミーのファイルをおくことで構成管理のコストが増加するなど、さまざまな副作用が発生するというのだ。検討の結果、本書で紹介している他の対策(コストはあまり増えない)に追加してダミーのindex.htmlを配置することのメリットは薄いと判断して、この記述は削除した。
うわ晒された!
……いや、打ち上げの時に「私の分のレビューは公開していただいても構わないですよ」という発言をした記憶はありますので、全く問題ありませんが。
正確には、私の意見は「紹介しても良いが推奨はしないでほしい」という感じだったと思いますが、そもそも紹介しない形になったという話ですね。過去、ディレクトリにindex.htmlを置くという「対策」が紹介されているのは何度か見たことがあるのですが、実際に各ディレクトリにindex.htmlというファイルを置いているプロジェクトを見たことがありません。おそらく、ほとんど誰も実施していないのではないかと思います。
※何より、クライアントから「本に書いてあるんだから実施しろ」と言われたら嫌ですので。
関連する話題: 徳丸本
2011年3月8日(火曜日)
岡崎市、被害届を取り下げ
公開: 2011年3月12日16時0分頃
岡崎市が被害届を取り下げたそうで。と言っても、図書館の件ではなく……「岡崎市:公園の植木500本、植え替え…盗難と思い被害届 (mainichi.jp)」。
7日午前10時半ごろ、岡崎市欠町の東公園で、ツツジやヒサカキ、ヤマザクラ、エゴノキ、コナラなど16種計531本(時価85万円相当)が抜かれているのを市職員が見つけた。市は午後2時に岡崎署に被害届を提出。署員4人が午後4時から実況見分し、神谷博幸署長も事態を重くみて現場を訪れた。しかし実況見分終了後の午後5時15分ごろ、盗難でないと判明し、市は被害届を取り下げた。
取り下げできるんじゃないですか……。
やっぱり、図書館の事件で取り下げできない理由は「警察へのご配慮」ということでファイナルアンサーなんですかね。このケースでは警察が被疑者を処分する前だったので取り下げできたと考えると、辻褄は合います。
関連する話題: 法律 / 岡崎市立中央図書館事件 / librahack
うぃずりず5
公開: 2011年3月12日15時45分頃
購入したので。
- うぃずりず5 (www.amazon.co.jp)
最終巻ですね。唐突な新キャラ登場ですが、ラストは綺麗にまとまった感じで良かったと思います。
2011年3月7日(月曜日)
○本の住人4
公開: 2011年3月12日15時45分頃
購入したので。
- ○本の住人 4 (www.amazon.co.jp)
相変わらずの世界。「まぐろと歩きたい古道」「会長を路上で狙うのりこ」で、いきなり笑わされてしまいました。こういうのはずるいなぁ。
2011年3月5日(土曜日)
みなみけ8
公開: 2011年3月11日12時35分頃
購入したので。
- みなみけ8 (www.amazon.co.jp)
ドラマCDつきの限定版 (www.amazon.co.jp)も売られていましたが、普通のやつを購入。
マコトの日焼け話が面白かったかな。
2011年3月4日(金曜日)
魔法少女まどか☆マギカ 1
公開: 2011年3月10日19時10分頃
本屋に寄ったら大量に平積みされていたので購入。
- 魔法少女まどか☆マギカ 1 (www.amazon.co.jp)
実は今日は徳丸本 (www.amazon.co.jp)の打ち上げだったのですが、Amazonで徳丸本を見に行った人の11%がこの本を購入したと言われていたことを思い出して購入しました。
※その後、はせがわさんから「最近お気に入りのマンガはなんですか?」と訊かれたので「マンガばっかり読んでいるわけでは……」と返そうかと思ったのですが、買ったばかりのマンガを鞄に隠し持っている状態では説得力がなく、反論できなかったという。
本作はアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のコミカライズ版です。たぶんアニメとストーリーは同じだと思うのですが、私はアニメのほうは見たことがないので……いや、厳密に言うとBPOでも話題になっているというマミさんのシーンだけは見てしまったのですが、他は見ていないので、ストーリーなどは知らない状態なのでした。
なかなか凄い作品です。可愛いコスチューム、可愛いマスコット、普通の人には見えない敵……といった、いわゆる「魔法少女もの」のテンプレート要素は忠実に継承されています。にもかかわらず、既存の魔法少女ものとは一線を画する内容になっていますね。
アニメのほうは、キャラクター原案が蒼樹うめ (ひだまりスケッチ) でこのストーリーなんですね。アニメも見てみようかな。
関連する話題: マンガ / 買い物 / 魔法少女まどか☆マギカ
2011年3月2日(水曜日)
カンニングが偽計業務妨害?
公開: 2011年3月10日17時15分頃
大学入試での不正行為、いわゆるカンニングの話が盛り上がっているようですね……入試投稿の携帯会社を特定 警察当局、IPアドレス入手 (www.asahi.com)。
京都大(京都市)や早稲田大(東京都)など4大学で入試問題が試験中にインターネット上の掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された問題で、警察当局は、この書き込みに使われた携帯電話のIPアドレスを入手し、携帯電話会社を特定した。捜査関係者への取材で分かった。
警察が動いているという時点で、直感的に疑問に思う点が2つあります。
- そもそも、「試験中に知恵袋に投稿してはいけない」というルールは明確になっていたのかどうか。常識的には駄目なような気はしますが、持ち込み可能な試験というのもあるわけです。明確に伝えていたのか、破ったときにどうなるのかを伝えていたのか、というのは1つのポイントでしょう。
- 仮にそのルールが明確になっていたとしても、それは京都大学が定めた私的なルールに過ぎないはず。この場限りの私的なルールを破ったことで刑事罰を課すことは妥当なのか。
で、警察が何の容疑で動いているのかが疑問になってくるわけですが、読み進めると……。
京都府警と警視庁は、偽計業務妨害の疑いがあるとみて捜査しており、2日にもこの会社に照会し、投稿に使われた携帯電話の特定を進めるとともに、契約者に関する情報の提供を求める方針。
ほえー、偽計業務妨害ですか。どういう論理構成なのでしょうね。
偽計業務妨害というからには、業務が妨害されたという主張があるはずです。カンニングが発覚して忙殺されたというのは分かるのですが、発覚しなければ業務が妨害されることもなかったはずです。そして犯人は、どう考えても発覚しないことを望んでいたでしょう。業務を妨害しようという意図もないでしょうし、業務が妨害されても構わないという未必の故意さえ認められないのではないかと思いますが。
これがたとえば組織的な犯行だという事になれば、また話は変わってくるでしょう。組織的に入試の不正を斡旋していれば、入試の業務そのものを形骸化させる意図があったと思われても仕方ないように思います。しかし、組織的に行っていたなら「Yahoo! 知恵袋」を利用するわけがないと思うわけで……。
……いや、個人でもどうかとは思いますが。試験時間中に回答が得られるかどうか分かりませんし、質問を書き込んだり、回答が付いたかどうかチェックするのにも時間が必要です。そんな時間があったら他のことをしたほうが良さそうな気はします。
しかし冷静に考えてみると、たまたま知恵袋が発覚しただけで、実はいろいろ行われていたのかもしれませんね。検索を使えば、歴史や地理の問題は楽勝でしょうし。
※対策として通信妨害を……という話も一部で出ているようですが、通信ができなくても電卓や辞書の機能が使えるでしょうし、教科書や参考書の内容を丸ごと取り込んでおくこともできますから、解決にはならないでしょう。
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