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福島第一原発がまずい状況

2011年3月12日(土曜日)

福島第一原発がまずい状況

公開: 2011年3月18日13時30分頃

福島原発がまずい状況……福島第一原発1号機、燃料の溶融が進んでいる可能性 (www.asahi.com)

ちなみに原子炉は地震と同時に停止していて、核分裂連鎖反応は起きていません。これは東京電力のプレスリリースで確認できます。

・福島第一原子力発電所 1~3号機 地震により停止(4~6号機は定期検査中)

・福島第二原子力発電所 1~4号機 地震により停止

以上、宮城県地震における当社設備への影響について【午後3時30分現在】 より

というわけで原子炉は既に停止しているのですが、停止後の冷却に苦慮しているという状態ですね。

原子炉は停止しても高い熱を持っていますし、核燃料はしばらく崩壊熱を出し続けます。連鎖反応させていなくても、放射性物質は自然に核分裂して熱を出すのです。

※核燃料のウラン235自体は半減期が長く、自然に核分裂する確率が低めなので、大きな崩壊熱は出さないはずです。しかし、核分裂後にできた核種には半減期の短いものも含まれているため、使用済み核燃料からはかなりの崩壊熱が出ます。使用済み核燃料をプールでしばらく保管するのも、崩壊熱を取るためです。

崩壊熱が出ていても、冷却水がある間は問題ありませんが、冷却水が無くなると、金属も融けるほどの高温になります。最悪の場合、融けた核燃料が流れて一箇所に固まり、再臨界を起こす可能性もあります。それを避けるためには、原子炉が停止した後も水を循環させて冷やし続けなければなりません。

そのため、原子炉は炉心冷却装置 (ECCS) を備えていますが、炉心冷却装置を動かすためには電気が必要です。今回は地震と津波の影響で外部からの電力供給が受けられなくなり、バックアップ用のディーゼル発電も (おそらく津波の影響で) 動かなかったため、原子炉が冷却できていない状態のようです。

普通は、「停止」したらもう手を離しても安全と思いがちですが、原子炉の場合は停止した後も能動的に冷やし続けなければならないわけです。フェイルセーフの観点からは、これは非常にスジが悪いように思えます。しかし、核燃料が崩壊熱を出すことは原理的に言って避けられないので、何ともしがたいところです。

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