2011年3月16日(水曜日)
放射線の数値がよくわからない
公開: 2011年3月19日13時35分頃
放射線の話が連日報道されていますが、どのくらい被曝するとどうなのか、というのは分かりにくいですね。報道ではいろいろな比較がなされていますが、これが実に分かりにくいと思います。
- 通常の被曝量との比較 …… 通常のn倍、みたいな報道がありますが、さっぱり分かりません。通常の線量がどのくらいなのかなんて知りませんから、その数百倍と言われても何の参考にもなりません。そもそも、放射線量は標高や地質等に左右されるので、住んでいる場所によって大きな差があります (標高が高いと宇宙線の影響を受けやすくなり、花崗岩の多い地質だと大地からの線量が増える)。
- レントゲン撮影との比較 …… 医療行為による被曝には上限値が設けられていません。身体に負担がかかるとはっきり分かっていても、より大きなメリットがあるなら実施した方が良いからです。つまり、医療行為として実行されているから安全、とは言えないのです。医療行為による被曝は参考にすべきではありません (レントゲン撮影も、無意味に受けたりしない方が良いものです)。
- 温泉との比較 …… 温泉に24時間365日つかり続ける人は少ないはずです。放射線が出続けている場合と単純には比較できません。
そのようなたとえ話ではなくて、単純に「○μSv/h 以上になったら要注意、×μSv/h以上なら避難した方が良い」というような情報がほしいのですが、これがなかなかありません。放射線に関しては、被曝量がいくつまでなら安全という明確な閾値がないので、そういう数字は出しにくいのでしょう。
勝手にテキトーに考えてみると、普通の人が1年に浴びて良い放射線の量は1mSvとされていて、1年は8760時間です (閏年でない場合)。ということは、0.1μSv/h程度の放射線であれば、1年間ずっと浴び続けても問題ないことになります。
逆に、どのくらいから危ないのか、となるとこれが難しいです。一つの目安として、5.8μSv/hの放射線を1年ずっと浴び続けると、原子力関係従業者の年間許容量である50mSvを超えることになります。この状態が1年続くことはないと思いますし、屋内にいれば被曝量は少なくなりますから、直ちに危険というわけではないと思いますが。
- 「放射線の数値がよくわからない」にコメントを書く
- 前(古い): 2011年3月15日(Tuesday)のえび日記
- 次(新しい): 2011年3月18日(Friday)のえび日記