水無月ばけらのえび日記

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2003年11月14日(金曜日)

W3C Day 2003 の記録 その1. ダイヤ乱れる

6時に起きて出動。前回は地下鉄で移動しましたが、乗り換えたりホームから脱出するのに予想以上に苦労したため、今回は地上を移動することにしました。

……山手線に乗ったら、何故かダイヤが乱れていて、あまり幸先のよろしくないスタートです。乱れのせいか、乗車率も異様に高くてすし詰め状態。まあ、もとより座れるとは思っていませんでしたけれども。

※そもそも、この時間帯の山手線には座席が存在していない (!) ので座れっこないのですが。

新宿まで来たところで、人の流れに飲み込まれて無理矢理降車。上り階段の所まで押しやられてしまい、再び乗車できるかどうかも怪しかったので、ここでルートを変更して中央線で東京駅へ。何故か中央線は空いていて、途中から座れました。

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W3C Day 2003 の記録 その2. ボールペンなし

ともあれ 8:30 くらいに到着。これはほぼ予定通りの時刻です。

前回の場所は覚えていましたが、前回とは場所が違ったので、門のところで守衛さんに行き方を訊いてみました。出てきた地図は当然というかなんというか、見覚えのあるもの。実は前もここで道を訊いたのでした。

……で、建物前まで来たところで迷いました。看板は出ているのですが、肝心の会場への道のりが出ていないわけで……。

まあとにかく入ってみようということで、建物に突入。上り階段と下り階段がありましたが、勘で上へ。見回すと、すぐ左が会場でした。「ここから一列にお並びください」というような立て札がありましたが、受付はガラガラ。というか来場者は私しかいないんですけど……。

少々不安になりつつも、印刷したメールを渡して受付。冊子と同時通訳レシーバを受け取り……ボールペンがもらえなかったことに気づいて残念な思いをいたしました。

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W3C Day 2003 の記録 その3. 合流

受付終了の 10分前だというのに、会場はガラガラで、来場者の姿は 10人くらい。適当に見繕って中央やや前方に位置し、冊子の内容を確認。

レジュメ類がなく、代わりに要りもしない SFC ORF 2003 の案内が入った封筒が。これ既に郵送でもらってるんですけど。

そうこうしているうちに声をかけられ、「閉鎖しました。 (www.mrdn.net)」の kotaroさんと合流。しばらく二人でうだうだしていると会場も賑わってきて、「Ancient library (alib.jp)」の近藤さん、「None (everybody.good-day.net)」のいわいさんと合流。休憩が入ったところで「W3J.org (w3j.org)」の yuuさんと合流しつつ、「@kazuhi.to (kidachi.kazuhi.to)」の木達さんを発見してご挨拶。こんな感じで合流しました。

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W3C Day 2003 の記録 その4.「次世代 Web 基盤を構築する W3C」

前後しますが肝心の講演の内容について。まあ、プログラム (www.w3.org)のところにスライドも出ていることで、内容についてはそれを見て頂いた方が早いと思うので簡単なコメントだけ。

まず最初のお話は「次世代 Web 基盤を構築する W3C」(Overview of the Consortium (www.w3.org))。これは W3C が何をやっているのか、どういう組織になっているのかといった話です。

はっきり言ってつまらない話ですが、ひとつポイントとなる点を挙げるなら、Web のニーズが HTML から XML に向かっているというお話 (Engineering the Foundation for the Web of Tomorrow (www.w3.org)) でしょうか。「Web 上のドキュメントは何でもかんでも HTML に」という時代から、「Web 上のリソースは何でもかんでも XML に」という時代に向かっていると。

これが今日のお話全体にかかってきます。

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W3C Day 2003 の記録 その5.「Web サービス: SOAP、WSDL、コレオグラフィー」

次のお話は「Web サービス: SOAP、WSDL、コレオグラフィー」(Web Services: SOAP, WSDL and Choreography (www.w3.org))。題名から分かるように、今話題の (?)「Web サービス」を取り巻く SOAP (www.w3.org)WSDL (www.w3.org) の紹介です。それぞれがどういうものなのか紹介しただけな感じですが、SOAP が HTTP に依存しない (SMTP を使った実装も可能) という話はちょっと興味深かったり。

質疑では Web サービスのセキュリティについて突っ込まれたりしていました。WS-Security (www.microsoft.com) は取り込まれる方向っぽいですが、その辺りは現在議論中という感じ。

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W3C Day 2003 の記録 その6.「XML 技術の統合」

休憩を挟んで「XML 技術の統合」(Integration of XML Technologies (www.w3.org))。

一言で言うと XML1.0 (www.w3.org) とその周辺関係 (Namespace (www.w3.org) とか XML Base (www.w3.org) とか XML Information Set (www.w3.org) とか) の話、それから XML1.1 のお話。

質疑では、XML Schema (www.w3.org) についていろいろ。「XML Schema は現状でも複雑だけれども、機能が追加されてさらに複雑化する方向なのか?」という質問に対して回答は YES。「Relax NG (www.relaxng.org) の機能を取り込んだり、統合する予定はあるのか?」などという興味深い質問に対しては、回答としては「別々にあっても良いんじゃないの」という割と素っ気ない回答でした。

※近藤さんも突っ込んでいましたが、XHTML2.0 のドラフトでは XHTML 2.0 RELAX NG Definition (www.w3.org) ができていて、しかしながら XHTML 2.0 Schema (www.w3.org) ができていなかったりするのですよね……。

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W3C Day 2003 の記録 その7. インタラクティヴ Web

続いてのお話は「インタラクティヴ Web (www.w3.org)」。これは石川さん (www.w3.org)の講演なので日本語です。

簡単に言うと、Namespace を使って複数の XML を組み合わせる話とそのデモ……なのですが、これがまた手ひどく失敗。単に「ネットワークが不調でデモが見られない」という話だったのですが、これで講演はしばしば中断して、何とも気まずい感じに。

……と聞くと、「ていうか普通デモはローカルに用意しておくだろ!」と思った方がいらっしゃると思います。しかし、事はそう簡単にはいきません。単にデモの XML をローカルに用意しただけでは駄目なのです。

たとえば、XHTML と MathML と SVG の混在例 (www.w3.org)を手元に置いたとしましょう。このドキュメントには以下のような文書型宣言がついています。

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1 plus MathML 2.0 plus SVG 1.1//EN"

"http://www.w3.org/2002/04/xhtml-math-svg/xhtml-math-svg-flat.dtd">

以上、XHTML と MathML と SVG の混在例 より

これで気づいた方もいらっしゃるでしょう。そう、SYSTEM 識別子の URL が www.w3.org を参照しているのです。このドキュメントを読んだパーサは、この URL にアクセスして DTD を読みます。ネットワークが不調で www.w3.org にアクセスできないと、この文書を処理することができないわけです。

これをローカルで運用するには、以下のいずれかの対策が必要となります。

……はっきり言ってどっちもやりたくないです。そんなわけで、この一件は我々に「standalone でない XML は、ネットワークに繋がっていない環境では運用困難」という教訓を教えてくれたのでした。

※で、休み時間にその話をしたら「パーサ側で DTD をキャッシュしてくれればいいのになぁ」という話が出た記憶がありますが、これ誰と話したのでしたっけ。失念。

※追記 : これは近藤さんと yuuさんの会話だったようで。yuuさん補完ありがとうございます。

まあそれはそれとして、個人的に興味深かったのは XForms (www.w3.org) のお話。HTML の form まわりは機能とプレゼンテーション (見た目) がごっちゃになっている、入力値のチェックにはスクリプトを使わねばならない……などという問題があります。しかし XForms では、機能だけをしゃっきりと分離したのでデバイスに依存しませんし、入力値チェックの指定なども出来る……というお話は、まあ別に普通の話なのですが、それを Flash 上で実装した例があるというのが面白いと思いました。なるほど、最近の Flash は XML を読めるしフォームも扱えるわけですから実装できるでしょう。XForms に限らず、Flash を通して XML を処理するといろいろ面白いことができそうです。

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W3C Day 2003 の記録 その8. 昼休み

6名でまったりと行動。

他、いろいろ。

ちなみに「王者ラーメン」を食べてみました。温泉卵が入っていました。

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W3C Day 2003 の記録 その10. 機器に依存しないクールな Web インタラクション

「機器に依存しないクールな Web インタラクション」。……ええと、なんだか記憶がすっぽりと抜け落ちていて、Device Independence というキーワードしか覚えていない感じですが……CC/PP (www.w3.org) の話があったりした記憶がおぼろげに。

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W3C Day 2003 の記録 その11. WAI: 国際化対応 Web アクセシビリティ指針実現の可能性

「WAI: 国際化対応 Web アクセシビリティ指針実現の可能性」(WAI: Opportunities for International Web Accessibility Guidelines (www.w3.org))。

まずはWAI (www.w3.org) の活動の紹介など。最初は「画像はスクリーンリーダーで読み上げ出来ない」と言うと「じゃあ画像を使うなと言うのか!」などと反発されたりして「そうじゃなくて代替テキストを指定すれば良い」と説明するのに苦労したそうですが、啓蒙のためのカードを作ったら好評だったのだとか。

※ちなみにそのカード (の、日本語版) は参加者全員に配布されました。……正直、ボールペンの方が良いなぁ。

で、アクセス性指針の話。世界中で通用するアクセス性指針がひとつ定められている状態が理想……なのですが、WCAG1.0 (www.w3.org) などは各言語の事情などを考慮していなかったりしたので、i18n な話を追加しようという動き。たとえば日本語の場合、縦書きテキストを画像にしていて alt がつけられない……というような話があったりして。

※いや、普通につければ良いだけだと思うのですが、まあたとえばの話として。

そんなこんなで WCAG2.0 (www.w3.org) を進めているのですが、WCAG2.0 では WCAG1.0 の内容を大幅に整理して、14あった項目を 5つに整理したりしています。

※……と言われていたように思うのですが、実際には 2003-06-24版 (www.w3.org)でさらに絞られて 4項目になっています。2003-04-29版 (www.w3.org) までは 5項目でしたけれど。

で、Web のアクセス性を高めるためには以下のどれがもっとも効果的か?

もっとも良いのは、オーサリングツールがアクセシブルな Web ページを作れるようになっている状態なのだそうで。

……それはそうなんですが、個人的にはちょっと疑問。むしろオーサリングツールを使うと table バリバリだったり、酷いものになると frame src="about:blank" なんてのを生成してマージンを取ったりして論外なものが生成されてしまうので、プロはオーサリングツールを使っていない……というのが現実だったりして。現状ではそのような質の良いオーサリングツールが無いと思うわけですが、将来には登場するんでしょうか。

※……Amaya?

質疑はなかなか興味深い感じでした。「オーサリングツールというけれども、むしろ教育、啓蒙活動が大事だと思う。しかし日本語のドキュメントが少ない」。……そうですね。前回も言われていたし、いつも言われていると思いますが、W3C のオフィシャルな言語は英語で、英語が読めない人にはハードルが高いという問題は常にありますね。

もうひとつ、違う意味で興味深い質疑が「アクセス性とセキュリティとの関係はどうなのか」というもの。Hotmail の例を出されていましたが、どうも会場の半分くらいには質問の主旨が理解されず、「?」マークが点灯していたような雰囲気でした。質問者は「スパム封じか、視覚障害者の権利擁護か-揺れる画像認証テスト (japan.cnet.com)」という話のことを言っていたのですが、たぶん伝わっていなかったと思います。

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W3C Day 2003 の記録 その12. RDF の応用

プログラムではここで Tim Berners-Lee 氏のお出ましという手はずだったのですが、飛行機が飛ばないんだか飛行機を間違えたんだか、ともかく間に合わないので順番入れ替えということで、先に「RDF の応用」(RDF Application Overview (www.w3.org)) のお話。

……順番には意味があるわけで、いきなり応用の話をされてもピンと来ないわけですが。まあ FOAF (www.foaf-project.org) の例とかそんなんです。

※そろそろだれてきてあんまりちゃんと聞いていなかった系。

質疑。「ボキャブラリのパクリもとがなかなか見つからない」。「いろいろある。私は Google とかで探してる」。……いや、まあそうでしょうけれど。

※一応補足しておきますと、Dublin Core (dublincore.org) とか vCard (www.w3.org) とかは有名ですが、そこに無いモノを表現したい場合はどこから探す? という話。

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W3C Day 2003 の記録 その13. Tim Berners-Lee!

で、その後が「Semantic Web: そのコンセプトと現状」(Webs of documents, data - people - CHM (www.w3.org))。ようやく待望の Tim Berners-Lee 氏が登場。

喋るのが速いという話でしたが、ホントに速い……というか、こんなアグレッシブな話し方をされる方だとは思っていませんでした。

雪だるまの比喩は良くできていると思いました。

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W3C Day 2003 の記録 その14. もろもろ

で、質疑とか ORF 2003 の紹介とかあったわけですが、あんまり興味深い話はなく。

終わって、だらだらと会場を出ようとしたところで「WAREHOUSE56.COM (www.warehouse56.com)」の小村さんと遭遇して合流。逆に木達さんはレセプションに申し込んでいないということで、ここで離脱されました。

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W3C Day 2003 の記録 その15. レセプション

でもってレセプション。いろいろありましたが興味深い話を箇条書きでメモ。

ところで、ケーキは箸で食べるということで正解だったのでしょうか。

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W3C Day 2003 の記録 その16. オマケ

終了後、なんとなく kotaro さんと話した事柄。これまた箇条書きでメモ。

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