W3C Day 2003 の記録 その7. インタラクティヴ Web
2003年11月14日(金曜日)
W3C Day 2003 の記録 その7. インタラクティヴ Web
続いてのお話は「インタラクティヴ Web (www.w3.org)」。これは石川さん (www.w3.org)の講演なので日本語です。
簡単に言うと、Namespace を使って複数の XML を組み合わせる話とそのデモ……なのですが、これがまた手ひどく失敗。単に「ネットワークが不調でデモが見られない」という話だったのですが、これで講演はしばしば中断して、何とも気まずい感じに。
……と聞くと、「ていうか普通デモはローカルに用意しておくだろ!」と思った方がいらっしゃると思います。しかし、事はそう簡単にはいきません。単にデモの XML をローカルに用意しただけでは駄目なのです。
たとえば、XHTML と MathML と SVG の混在例 (www.w3.org)を手元に置いたとしましょう。このドキュメントには以下のような文書型宣言がついています。
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1 plus MathML 2.0 plus SVG 1.1//EN"
"http://www.w3.org/2002/04/xhtml-math-svg/xhtml-math-svg-flat.dtd">
これで気づいた方もいらっしゃるでしょう。そう、SYSTEM 識別子の URL が www.w3.org を参照しているのです。このドキュメントを読んだパーサは、この URL にアクセスして DTD を読みます。ネットワークが不調で www.w3.org にアクセスできないと、この文書を処理することができないわけです。
これをローカルで運用するには、以下のいずれかの対策が必要となります。
- Hosts を書き換えて www.w3.org を 127.0.0.1 にして頑張る。
- ローカルに DTD を置き、SYSTEM 識別子を書き換える。
……はっきり言ってどっちもやりたくないです。そんなわけで、この一件は我々に「standalone でない XML は、ネットワークに繋がっていない環境では運用困難」という教訓を教えてくれたのでした。
※で、休み時間にその話をしたら「パーサ側で DTD をキャッシュしてくれればいいのになぁ」という話が出た記憶がありますが、これ誰と話したのでしたっけ。失念。
※追記 : これは近藤さんと yuuさんの会話だったようで。yuuさん補完ありがとうございます。
まあそれはそれとして、個人的に興味深かったのは XForms (www.w3.org) のお話。HTML の form まわりは機能とプレゼンテーション (見た目) がごっちゃになっている、入力値のチェックにはスクリプトを使わねばならない……などという問題があります。しかし XForms では、機能だけをしゃっきりと分離したのでデバイスに依存しませんし、入力値チェックの指定なども出来る……というお話は、まあ別に普通の話なのですが、それを Flash 上で実装した例があるというのが面白いと思いました。なるほど、最近の Flash は XML を読めるしフォームも扱えるわけですから実装できるでしょう。XForms に限らず、Flash を通して XML を処理するといろいろ面白いことができそうです。
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