2001年11月5日(月曜日)
不自由の国
まあ、いじめるのも自由かもしれないけど、戦争反対と叫ぶのも自由だと思う。アメリカに自由は無いのか。
以上、びいさんの日記。 より
墓場にもちょろっと書きましたが、戦争が行われるためには、戦争をするべきだという世論が必要です。で、アメリカはベトナム戦争以降、世論形成のための情報コントロールにかなり力を入れています。湾岸戦争のときなどは、本気でアメリカ側の情報しか流れず、後になって多くの人が「騙された」と気付いたような状況がありました。
ということで、これも「不朽の自由」作戦の一環なのではないかと。
しかし今回は、湾岸戦争の時とは桁違いの情報量でタリバン側、アラブ側の情報も流れてきています。アルジャジーラが頑張ってるのか、それともネットの力なのでしょうか?
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戦争は「悪」ではない
更新: 2003年12月4日
で、墓場に書いた話ですが、どうしてこんなあたりまえの事を? というのが私の感想です。全ての戦争は「正義」であると断言しても良いと思います。何故って、「悪」のための戦争なんてのは国際的にはもとより、国内でも誰にも支持されないからです。たとえ専制政治が行われていたとしても、支持者が一人もいない状態で戦争が行われることは絶対にありません。あえて断言しますが、全ての戦争は「正義」のために行われます。例外はありません。
※ちなみに、これは国家を挙げて行われる「戦争」の話であって、個人レベルの「テロ」はまた別。国際テロ組織のような規模になると、国家と同じことが言えたりしますが。
第二次大戦のナチス・ドイツの思想などは狂気のように思われているかもしれませんが、私はそうは思いません。ヒトラーの目指した、優れたアーリア人国家建設のための優性思想は、(共感できるかどうかはともかく)理性的に理解可能なものです。実際、それを理解し共感する人がいなかったのなら、国を挙げてユダヤ人狩りを行うことなど出来はしなかったでしょう。
日本の場合も同様です。15年戦争は、当初の開戦のいきさつはともかくとして、少なくとも表向きはアジア解放、八紘一宇の理想社会を目指した崇高なものとされていたのでした。国民や兵士たちは、この崇高な目的に向かって行ったのです。自分たちの行為を「開放」ではなく侵略や虐殺だと思っていた兵士は、いたかもしれませんが多くはなかったでしょう。※って、いたとしても、言えなかったけど。
ついでに言うと、原爆投下は、その悲惨な戦争を終わらせるためのもので、これまた「正義」に基づいた行動でした。
……で、その結果どうなったかというと、これはまあ言うまでもないわけで。
「歴史を学ぶのは、過去の事実について、過去の人がどう考えていたかを学ぶことなのである
」というのは例の扶桑社の教科書の前書きの一説ですが、このように考えてみると、この前書きの持つ意味が良く分かると思います。
※2003-12-04 追記 : はっきり書いてしまうと、「過去の人がどう考えていたか」という観点に立てば「当時の人はこのように戦争を支持した」ということがいくらでも出てくるわけで、いくらでも戦争を美化できるということです。むしろ後世から見て「間違いだった」と思えるようなことを繰り返さないために歴史を学ぶ必要があるのだと、私は思っています。
クラスターボム
クラスター爆弾とは (www.jca.ax.apc.org)、クラスター爆弾の呪い (www.jca.ax.apc.org)。色違いにしても問題大有り。どうしたって不発率ゼロにはできないでしょうし。
本当に?
とりあえす、アメリカに対するテロを無くすのは、サウジアラビアから米軍が撤退すればいいってのは、共通認識。
以上、TOM nekoさんのひまつぶし日記 より
サウジアラビアから米軍が撤退すればテロは無くなるということですか? それが空爆開始前に行われたのなら、その可能性はあった(過去形)ような気がしないでもないですが……。
以下、現時点での中途半端な私の考え。
イスラム過激原理主義の国際テロ組織は、大雑把に言えばファトワによって動いています。シャリーアに反する行為は出来ません。別の言い方をすれば、イスラム原理主義の活動にはイスラム法的な正当性が必要なのです。たとえばルクソール事件においては、明らかにシャリーアに反する遺体の損壊が行われていましたから、「イスラム集団」は自己批判を強いられました。そして集団は武闘を停止、武闘集団から政党へと変容していきます(と言っても政党としては認められていないのですが)。
つまりイスラム原理主義は、原理主義であるがゆえにシャリーアには逆らえないのです。その辺りがポイントではないかと私は思っています。
たとえば今回のケースでは、まずはテロ根絶を国際社会に訴えつつ、出来るだけ多くのイスラム国家、イスラム宗教指導者に「テロはイスラムの教えに反する」という声明を出させることが先決だった(過去形)のではないかと、私は思っていたりします。
ただしこれは過去形で、今からやっても駄目でしょう。こうなったら行くところまで行くしかありませんし、行くところまで行くでしょう。その行き着く先というのは、多くの論者によって述べられ済みですから、ここで繰り返したりはしませんが。
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アシスト
2001年最新 クラックされてしまった日本のサイト、株式会社アシストなんて出ててびっくりしたけど、 ビル・トッテン氏 の アシスト (K.K.Ashisuto) とは別の会社ですね。
以上、セキュリティホールmemo より
あたしが思ったアシストとも違ってたようで、ほっ。
しかし相変わらず http://www.asist.co.jp/ (www.asist.co.jp) を叩くと http://dns.asist.co.jp/ (dns.asist.co.jp) にリダイレクトされてしまう辺り、いやー素晴らしい。DNS サーバにはバーチャルドメインも何もないんですが、その辺からして分かっていないのではないかという……。りゅうさんに「腐ってる」とか言われてもしようがないですな。
トンデモの魔力とメモリンク
世間一般には、どうもいわゆるトンデモ本の説得力を侮ってる人がいるような気がします。トンデモ本にもピンからキリまでありますが、それらはしばしば強力な説得力を有しています。パソコンに500円玉の写真を挿入、なんてのは分かりやすいのですが、ビッグバン理論を論理的に「論破」しているものなど、中途半端な知識で挑むと本気で信じさせられてしまいます。「ビッグバン理論などというのは矛盾だらけで、何度も論破されている。そのウソ・でっち上げ・デタラメぶりはとっくの昔に証明されていて、みんなが知っている。なのにどうしてそんな嘘がいまだに教科書に載っているのだ?」などと不思議に思っている人は実際に存在します。
トンデモに騙されないための指標の一つに、教科書があります。中学・高校あたりの教科書は文部省の教科書検定を通過しているわけです。ある種のトンデモ本は、少数説や異端の説をさも通説であるかのように書いたりしますが、そういうことをしていると検定意見がついて修正を求められますから、教科書に載っていることは比較的信頼性が高いと言えます。
石器捏造発覚のような事件がおきて通説自体が変化することもありますが、それは次の教科書には反映されますし、教科書の記述を見直すと言うこと自体がニュースになりますからだいたいあんしんです。
さてここで問題なのですが、この文章で s/ビッグバン理論/南京大虐殺/g とすると、説得力は増すでしょうか、減るでしょうか、それとも変わらないでしょうか。
……などと謎の語りを入れつつメモリンクするのが、教科書と「慰安婦」記述 (www.zephyr.dti.ne.jp)。歌え君が代、掲げよ日の丸
の文部省検定と闘いつつ前進してゆく様が良く分かります。
で、この後、つくる会などが「偏向している」「自虐的だ」と主張して、後退するわけです。全社の教科書に載っている記述が「偏向している」ように見えるというのが凄いと言えば凄いですが、中学教科書にセクシュアルな記述はよろしくない、という御意見だけはそれなりにまともであり、それなりに説得力があります(賛成するかどうかはともかく)。
※ちなみに、
※もうちょっと補足すると、秦氏の研究はそれなりには影響を与えていて、吉田証言は根拠のない嘘とは言えないものの、「時と場所」という歴史にとってもっとも重要な要素が欠落したものとして、歴史証言としては採用できない
というのがかねてより研究していた学者たちの通説となっています。有名な吉見教授はわざわざクマラスワミ氏に「吉田証言を採用するな」と助言しています。
身に覚えの無いリターンメール
秘密っぽいのでごそっと引用したりはしませんが、550 Dialups/open relays blocked. というのがステキ。MAPS の DUL みたいなものでしょうか。
むしろ From: を騙ろうとした spammer が失敗した感じですね。でなきゃ、Cc: にあんなに列挙しないでしょうし。送信に使われたサーバも ORDB (www.ordb.org) に登録されてます……って、ORDB のサイト、いつから日本語版ができたのでしょうか。
XHTML parsed by Mac
更新: 2001年11月5日
CSS化が済んでいれば、XHTML化は簡単です。しかしMac IE5で表示させようとすると、DOCTYPEの所で「XML ファイルの解析中にエラーが発生しました。」と出て止まってしまい、何も表示されません。これは、なぜかサーバにアップロードすると大丈夫なんですね。ローカルだけで問題。
以上、http://homepage1.nifty.com/glass/tom_neko/diary/index.html より
ローカルでは text/xml, サーバ上では text/html とみなされているためではないかと思います。HTML としてパースすると問題ないが、XML としてパースするとエラーが出ると。
ちなみに、「XML ファイルの解析中にエラー」になるのは、おそらく XHTML1.1 の DTD の中に未定義の実体があるからです。要するに DTD が腐っています。対処法としては、自分で DTD を書くとか。typical usage の SYSTEM 識別子が相対 URI なのはそのためなのではないかとさえ思いました。
※追記: DTD が腐っているというのは誤解で、MSXML の方がショボかったようです。このマーク区間と実体の処理順序の問題については、XML1.0 Second Edition で明示されました。
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