司会者は A,B,C のうちのどれか一つを開けます。
もし単に無作為に一つを開けているなら、残り二つのどちらを選んでも同じでしょう。
しかし、司会者の行動は回答者の選択に影響を受けているので、そこで対称性が破れます。
場合分けで考えてみると分かりやすいのではないかと思います。
仮に、A が正解だったとします。回答者が何を選択するかによって、司会者の行動は以下のようになります。
1. A(正解)を選択した場合
司会者は B と C のいずれかを無作為に開けます。
どちらが開けられたとしても、回答者は回答を変更すべきではありません。
2. Bを選択した場合
司会者は A(正解) を開けることはできません。
従って司会者は C を開けるしかありません。A(正解) が残ります。
回答者は回答を変更すべきです。
3. Cを選択した場合
司会者は A(正解) を開けることはできません。
従って司会者は B を開けるしかありません。A(正解) が残ります。
回答者は回答を変更すべきです。
上記 1 では変更しない方が得ですが、2, 3 では変更した方が得です。
1 が発生する確率は 1/3, 2,3 のいずれかが発生する確率は 2/3 です。後者である確率の方が高いため、変更した方が当たる確率が高くなります。
ここでは仮に A を正解としましたが、B, C を正解としても同様の理由で変更した方が当たる確率が高くなります。
逆に、回答者の選択のほうを固定して考えても良いでしょう。たとえば、回答者が C を選んだとします。正解が何であるかによって、司会者の行動は以下のようになります。
1. Aが正解だった場合
司会者は A(正解) と C(選択済み) を開けることはできません。司会者は B を開けるしかありません。
A(正解) が残ります。
回答者は回答を変更すべきです。
2. Bが正解だった場合
司会者は B(正解) と C(選択済み) を開けることはできません。司会者は A を開けるしかありません。
B(正解) が残ります。
回答者は回答を変更すべきです。
3. C が正解だった場合
司会者は A, B のどちらかを無作為に開けます。
いずれにしても、回答者は回答を変更すべきではありません。
上記 1, 2 では変更した方が得、3. では変更しない方が得です。
1 あるいは 2 が発生する確率は 2/3, 3. が発生する確率は 1/3 です。
前者である確率の方が高いため、変更した方が当たる確率が高くなります。
上記の説明で、「司会者は B を開けるしかない」というような状況が発生していたことに注目してください。
回答者の選択によって、司会者の行動が制約を受けているのです。
しかし、テレビの前の妹さん(?)が何を選んでも、それは司会者の行動に影響しませんよね。
それが回答者と妹さんとの違いを生み出しています。
……というようなところで、どうでしょう。
>?3つの箱があって、その中の1つに豪華賞品が入ってます。あなたは1つの箱を選べます。
>?司会者はどの箱に豪華商品が入っているか知りません
>?司会者はあなたが選ばなかった二つの箱のうちの一つを開けてみました。するとたまたま空箱でした
>?そして、あなたに尋ねます。「一度だけ箱を変えてもいいですよ?」と
>あなたは箱を交換しますか?なぜ?
これも場合分けで考えてみましょう。選択した箱を A とします。
正解が何であったかと、司会者が開けた箱が何であったかによって場合分けします。
1. Aが正解で、Bを開けた(Bが空だった)場合
変更しない方が良いです。
2. B が正解で、Bを開けた場合
このケースはあり得ません。
というか、司会者が B を開けて空だったことによって、このケースではなかったのだということが分かります。
3. C が正解で、Bを開けた場合
変更した方が良いです。
4. Aが正解で、Cを開けた(Cが空だった)場合
変更しない方が良いです。
5. B が正解で、Cを開けた場合
変更した方が良いです。
6. C が正解で、Cを開けた場合
このケースはあり得ません。
司会者が C を開けて空だったことによって、このケースではなかったのだということが分かります。
2,6 ではあり得ないということが分かっています。1,4 なら変更しない方が良く、3,5 なら変更した方が良いのですが、前者である可能性と後者である可能性のどちらが高いかというと、どちらも同じです。
よって、変えても変えなくても同じになります。