水無月ばけらのえび日記

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2012年7月3日(火曜日)

JavaScript勉強会の課題決定

公開: 2012年7月16日16時25分頃

先週、JavaScriptの本を選定したわけですが、実際に勉強会の概要を決めて、参加者に課題を出しました。

案内をほぼそのまま掲載するとこんな感じ。

「ツッコミながらスクラムで学ぶ JavaScript勉強会」開催概要

基本的なルール
  • 毎週金曜日の朝9時に開催します。第一回目は7月6日です。
  • テキストとして、「よくわかるJavaScriptの教科書 (www.amazon.co.jp)」(たにぐち まこと著) を使用します。
  • 毎回、課題を出します。課題は、翌週水曜日の23:59までに提出してください (提出方法は後述の「課題」の項を参照)。木曜日の間に内容をチェックし、金曜朝の勉強会でレビューします。
  • とりあえずやってみて、やりながらやり方を調整していきます。この基本ルールも随時修正される可能性があります。

※ スクラムとは? : マンガ「ドラゴン桜」に登場する「スクラム勉強法」にちなんだ名前です。 ドラゴン桜では主人公の桜木が高校生に社会を教えることになるのですが、桜木は高校を出ておらず、社会の知識が全くありません。そのため、自分がまだ習っていないことを、生徒たちと一緒になって学ぶという手法をとります。これが「スクラム勉強法」です。 今回の勉強会では、私にJavaScriptの知識があまりないため、教えるというよりも、一緒に勉強していくというスタンスになります。スクラムを組んで一緒に進んでいくイメージです。

課題

毎回、課題を出します。基本的にはテキストに沿った内容で、次回の予習となります。

課題は2種類出す予定です。

  • 基本課題: 基本的な課題です。テキストに沿った内容になりますので、やってみて分からなかったらテキストを読みましょう。分かりにくかった点、疑問に思った点などは、次回の勉強会で発表してみてください。この課題は必須です。やってこなくても罰則はありませんが、勉強会は課題をやってきたことを前提に進めてしまいますので、課題をやっていないと楽しめない可能性があります。
  • チャレンジ課題: 基本課題では満足できない人向けの課題です。テキストに沿った内容になりますが、テキストの内容にツッコミを入れたり、テキストのサンプルの不適切な部分を修正するようなことを意図した課題になります。この課題は必須ではありません。基本課題がすぐに終わってしまった方、もしくは基本課題がばかばかしくてやる気にならない方はチャレンジしてみてください。

提出の期限は、翌週水曜日の23:59とします。木曜日にチェックして、金曜日の勉強会でレビューできるようにするためです。提出期限を過ぎた場合、課題が提出されなかったものとみなす場合があります。木曜日のいつ見始めるのかは不定なので、運が良ければ提出されたものと同様にレビューされる可能性もあります。

第一回目の課題

第一回目は7月6日ですが、第一回から課題のレビューを行う予定です。つまり、第一回に向けた課題が既に存在するということです。

参加者は水曜までに課題を提出してください。課題1-1と課題1-2は基本課題で、提出必須です。課題1-3はチャレンジ課題となります。

課題 1-1: 自己紹介 (基本課題)

勉強会に参加するにあたって、自己紹介をしてください。

以下のような内容を含めてください。

  • 今のJavaScriptに関するスキルを、自分自身はどう評価しているか
  • この勉強会で何を達成したいか、どういう状態になりたいのか
  • JavaScriptに関するエピソード (もしあれば)
課題 1-2: テキストを読んで……? (基本課題)

テキストのPART1 (34ページまで) の内容を読んで、以下の点について述べてください。

  • 読んだ範囲についての感想 (分かりやすい/難しい/面白い/つまらないetc.)
  • 分からなかった点や、疑問点、質問したい点など

書式は問いません。箇条書きでも散文でも構いません。みなさん自由な心で記述してください。

課題 1-3: テキストを読んで……! (チャレンジ課題)

テキストを読んで、以下の点について述べてください。

  • 本書の内容について、好きなようにツッコミを入れてください。
  • PART1 (34ページまで) の範囲で、誤っている点や記述が適切でない点があれば、指摘してください。

書式は問いません。自由な心で記述してください。

水曜までに提出、木曜にチェック、金曜の朝に集まってわいわいやる、という想定。参加者みんなで作っていくというスタンスなので、どんな感じの勉強会になるのかはふたを開けてみないと分かりませんが。

関連する話題: Web / JavaScript / / ツッコミながらスクラムで学ぶ JavaScript勉強会

機械によるアクセシビリティチェックから垣間見えること

公開: 2012年7月16日15時25分頃

アライド・ブレインズからこんなプレスリリースが出ていますね……「国のホームページ約6割がJIS規格最低基準に満たず - 21の府省等で1万ページ以上の改善が必要 - (www.a-brain.com)」。

達成等級Aを満たせていないサイトが多いという話なのですが、よく見るとこんな事が書いてあります。

本調査は、弊社が開発した「全ページJIS検証プログラムAion(アイオン)」を用い、49サイトの公開されている全ページを対象に、JIS規格対応を調査しました。

Aionは、総務省が開発し広く一般に無償提供しているJIS規格対応検証ツールmiChecker(エムアイチェッカー)のチェック項目と基準で、公開されている全ページを一括で検証するものです。

要するに、機械でチェックしただけなのですね。機械チェックには以下のような限界があります。

よくあるタイプのチェックツールは、最低限のチェックだけして、判断できない部分は「判断できないので人間が見て判断してください」という旨の注意を促すような形になっていることが多いです。サイトの全ページ丸ごと機械にかけて終わり、というような使い方はできないようになっています。

というわけで、機械チェックだけで完結している調査は、全く意味がないとまでは言いませんが、話半分くらいに聞いておいた方が良いと思います。

本調査では、49の府省等サイトについて、平均56.5%のページでJIS規格の達成等級Aの対応に問題があることが確認されました。

また、21の府省等サイトで、達成等級Aに「問題あり」のページが1万ページ以上あることが確認されました。「問題あり」のページ数は、最も少なかったサイトで1ページ、最も多かったサイトで134,219ページでした。

達成等級Aに該当する25の達成基準の中で、特に「問題あり」のページの割合が高かったのは、以下2つの達成基準でした。(図1参照)

「問題あり」という表現なのは、機械チェックだけでは「等級Aを満たしていない」とまでは言い切れないという自覚があるからでしょう。それは良いと思うのですが、「サイト」と「ページ」が入り乱れていて意味が分かりにくいですね。おそらくこういうことだと思います。

全体のページ数が分からないので何とも言えませんが、それでも1万というのはなかなかの数でしょうし、134,219ページとなると凄い数のように思えます。しかし、さらに読み進むと以下のようなことが書いてあります。

達成等級Aに該当する25の達成基準の中で、特に「問題あり」のページの割合が高かったのは、以下2つの達成基準でした。(図1参照)

• 「7.3.1.1ページの言語に関する達成基準」29.2% ◦具体的な問題の例:音声読み上げソフトが正しく読み上げたり、ブラウザが正しく表示するために必要となる、ページ内で主に使用している言語の指定がない

• 「7.1.1.1非テキストコンテンツに関する達成基準」29.0% ◦ 具体的な問題の例:音声読み上げソフトの利用者に画像の内容を伝えるための「代替テキスト」がない等。

「7.3.1.1 ページの言語に関する達成基準」というのは、具体的にはHTML文書にlang属性がつけられていないケースです。ちなみにPDFの場合は「PDF 文書の文書カタログ内の /Lang エントリを使用してデフォルト言語を設定する (waic.jp)」という方法があり、これを怠っている場合にはNGとなります。

※そもそも、PDFはチェック対象でない可能性もあり、その場合はPDFだらけのサイトに有利な評価になっている可能性があります。

lang属性がついていないコンテンツが29.2%ある、というのは奇妙な話のように思えます。全ページに全くついていないのならまだ分かりますが、おそらくそうではなく、ついていないページが一部にあるという状態なのでしょう。しかも、それが3割近い数……となると、これ、サイトの一部に古いコンテンツがそのまま残っているのではないかと思います。

大規模なサイトリニューアルを行う際、良く問題になるのが古いニュースリリースなどのアーカイブです。コンテンツがそもそもアクセシブルでないことが多い上に、一度正式に発表したものですから、後から内容を変えることが難しいという問題があります。

そういったものを残すのか、それともばっさり切り捨ててしまうのか、という判断を迫られることは多いです。残す判断をする場合、新しいデザインに合わせて作り直すのか、合わせずにそのまま残すのかを判断することになります。残した場合、サイトの一部に古いHTMLが大量に残ることになり、lang属性がついていないコンテンツが万単位で存在することもあり得るわけです。

このようなケースのポイントは、古いコンテンツはそれほど重要ではないという点です。消してしまっても良いようなものにコストはかけられませんし、そんなお金があれば、新しいコンテンツに使った方が良いわけです。とはいえ、見たい人もいるかもしれないし、古いまま残してもそんなに害はないだろう、という判断をすればそのまま残す事になります。

※逆に、そのまま維持しても特にメリットがないので消す、という判断をすることもあります。

そんな判断で残したものを機械的なアクセシビリティチェックにかけると、どうなるかは分かると思います。

ここで注目しておきたいポイントは、コンテンツを消してしまった方が、機械的なアクセシビリティチェックでは有利になるということです。機械チェックは「本来は必要なはずのコンテンツがない」という判断はしませんから、単純にコンテンツが少なければ少ないほど有利になります。

とはいえ、それが悪いという話ではありません。機械チェックというのは元々そういうものなので、それを踏まえて結果を評価するべきだということです。要するに、機械チェックだけで完結している調査は、話半分くらいに聞いておけば良いということです。

関連する話題: Web / アクセシビリティ

IPアドレスでのアクセス、サイトに細工と報道される

公開: 2012年7月16日13時0分頃

こんなニュースが……「児童ポルノ販売容疑で逮捕 サイト遮断、細工しすり抜け (www.asahi.com)」。

大手プロバイダーは昨年4月から、特定のサイトへはURLを入力しても接続できないブロッキングという仕組みを導入したが、林容疑者らは児童ポルノDVDを販売する約80サイトを開設し、ネット上の住所を示すIPアドレスを介して接続されるよう、サイトに細工を施していたという。

名前解決のところでブロックされるので、ドメイン名を使わずにIPアドレスでアクセスするようにした、という話。「DNSポイゾニングによるブロッキングに意味はある?」という話でも書きましたが、こうやって回避できることは最初から分かっていたわけで。

しかし、これを「細工」と言ってしまうのも凄いですね。むしろ、名前でアクセスできるサイトの方がDNSやらバーチャルホストやらで細工しているのであって、IPアドレスでのアクセスの方が細工なしという感じがしますが。

関連する話題: Web / DNS

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