2012年11月
2012年11月21日(水曜日)
とびだせ どうぶつの森 ダウンロード版購入
公開: 2013年3月12日16時35分頃
「とびだせ どうぶつの森 (www.nintendo.co.jp)」が発売されており、しばらく様子を見ていたのですが、周囲に購入者が現れたので購入することにしました。
どうぶつの森は毎日少しずつプレイするタイプのゲームなので、ソフトの差し替えが必要ない、ダウンロード版のほうが適しています。というわけでダウンロード版を購入しようとしたのですが、気になったのはSDカードの容量。サイトを見ても必要容量がよく分からなかったのですが、とりあえずニンテンドーeショップで買ってみることにしました。
※実は公式サイトトップの「ダウンロード版について」というボタンの右に小さく書いてあるのですが、気づきませんでした……。
ニンテンドーeショップの支払いはプリペイド方式で、あらかじめ必要な額をチャージする必要があります。というわけでチャージしてからダウンロードを試みると、ここで容量が足りないと言われました……。
お金を払った後で容量不足と言われても困るのですが、仕方ないのでしょうかね。
まあ仕方ないので、保存していた写真や動画を削除して容量を空け、再チャレンジ。すると何とかダウンロードできました。
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パスワードがmaxlengthを超えてもユーザーは気づかない
公開: 2013年3月11日11時25分頃
三菱UFJニコスから、「パスワードの入力桁数に関するご案内」というPDF文書が出ています。
- パスワードの入力桁数に関するご案内 (www.cr.mufg.jp)
「三菱UFJニコス」という名前の通り、複数の会社が合併し、サービスも統合されたわけですね。従来はログインフォームが別々で、パスワードの長さもまちまちだったものを、ひとつのログインフォームに統合……したところ、ログインできなくなる人が現れたという話のようで。
原因は以下のように説明されています。
①リニューアル前のMUFGカード(UFJカード含む)、DCカード、NICOSカードのWEBサービスの(ID登録及び)ログインの際、パスワードは下記「パスワード規定桁数」を超えて入力することができませんでした。
②リニューアル後のNEWS+PLUSログインページでは、弊社のどのブランドWEBサービスにも対応できるよう、パスワード入力欄を拡大し、入力可能桁数の上限を外しております。
なお、パスワード規定桁数以上の桁数入力した場合はエラーとなり、規定エラー回数を超えた場合はパスワードが無効となりますのでご注意ください。
以上、パスワードの入力桁数に関するご案内 より
文章だけでは分かりにくいのですが、図を見ると、従来のログインフォームではパスワード入力欄にmaxlengthが指定されていたようです (たぶん今も)。
ですので、規定を超える桁数のパスワードはそもそも入力できなかったはずです。ユーザーが長いパスワードを入力しようとした場合、長さを超える入力はブラウザによって無視されます。
問題は、後ろが切り捨てられているということがユーザーに分かりにくいということです。たとえば、長いパスワードをペーストして入力した場合、後ろが切り捨てられたことについては特に何も通知されません。パスワード入力欄ですから入力文字もマスクされ、実際に何が入ったのかは分からないわけです。
入力欄の幅が十分にあれば、入力しようとした文字列と表示された (マスクされた) 文字列の長さが違いますから、「なんか短いな」と感じるかもしれません。従来のMUFGのフォームは入力欄の幅に余裕があったため、気づける可能性はあったと思います。しかしDCやNICOSは幅がぎりぎりで、気づくのは難しかったでしょう。
以前はそれでも表面的には問題が起きていなかったのですが、新フォームでmaxlengthの値が増えたため、長いパスワードを使っていた (つもりになっていた) 人は逆に全桁入力できるようになってしまい、ログインできなくなったというわけですね。
これはなかなか考えさせられる問題です。以前は問題が表面化していなかったとはいえ、長いパスワードを使っていたつもりが使えていなかった利用者がいたわけで、これはこれで問題でしょう。今回は統合によるmaxlength値の変化で表面化しましたが、表面化していないケースもかなりあるのではないかと思います。
制作者側にできる対応としては、
- パスワード入力欄の幅に余裕を設け、入力された桁数がはっきり分かるようにする
- パスワード入力欄にはあえてmaxlengthをつけないようにする
という対策が考えられます。
ユーザーが長すぎるパスワードを入れた場合、黙って切り捨てて使うよりも、エラーにする方が望ましいように思います。あえてmaxlengthをつけず、サーバー側で全部受け取ってエラーにするほうが良いのかもしれません。
2012年11月8日(木曜日)
複数デザイン案と捨て案
公開: 2013年3月11日10時45分頃
「「IPA Web サイトコンテンツ移行・デザイン改訂業務」に係る事前確認公募 公募要領」という文書があるようで、PDFが以下に置かれています。
- 「IPA Web サイトコンテンツ移行・デザイン改訂業務」に係る事前確認公募 公募要領 (www.ipa.go.jp)
9ページ以降が要求仕様となっているのですが、いろいろ気になるところがありますね。
細かいところでいうと、2.1(1)の⑦のあたりとか。
⑦ JIS X 8341-3:2010 の等級A 以上に則ること。
「等級A 以上に則る」というのは何を意味するのでしょうか。「等級A以上」と言われても、A未満は存在しませんし……。おそらく、等級Aの達成基準全てを満たすということだろうとは思うのですが、もうすこし正確に表記したいところです。
2.1(1)の⑧もなんというか。
⑧ HTML4.0 Transitional 以上又はXHTML1.0 Transitional 以上の規格に準拠すること。
「以上」とは何なのでしょうね。HTML5は可なのか不可なのか、よく分からない記述です。
まあ、これらは別に重要ではなく、実際に受注したときにしっかり決めれば良いとは思うのですが、私が一番気になったのはこれ。
③ 新 Web サイトトップページのデザイン案を3 種類作成し、その3 案の中からIPA が選定する1案について、IPA の指示に従い必要な修正を行う。
3案とありますが、なぜ2案や4案ではなく3案なのでしょうか。3という数字に根拠はあるのでしょうか。
また、その中からIPAが1案を選定するということですが、いったいどうやって選定するのでしょうか。
これがコンペで、3者に提案させて1者に絞るというなら分かります。3者はそれぞれ異なる視点、異なるコンセプトで提案するでしょうから、最もマッチすると思った提案を選べば良いのです。
しかし、1者に3案を作成させてもあまり意味がありません。受ける方は3案を等しく作るのではなく、ほとんどの時間を1案に費やし、平行して「捨て案」を2つ作るという対応をします。
これは別に手抜きではなく、以下のような事情があります。
- ひとつのコンセプトからは、1人が考える最適なデザイン案は1つに収束する。コンセプトが全く異なる案を作るには、戦略 (コンセプト設計) の部分からやりなおさなければならない。
- デザインはスタディに時間をかければかけるほどクオリティが上がるので、1案に時間をかけた方がよりクオリティの高いものができる
さらにもう一つ、先にも書いたように、発注側がどうやって選ぶのかという問題があります。デザインは課題を解決するために行うもので、本来、個人の好みとは関係がないものです。3つを眺めて気に入ったものを選ぶ、という方法は適切ではありませんし、そう簡単には結論が出せません。
問題を解決する方法のひとつは、プロであるデザイナーがあらかじめ選んでおくということです。デザイン作業の時点で本命を1案に絞り、残りを明確に劣ったもの (コンセプトとずれたもの) にすれば、発注者が自然にひとつを「選ぶ」ことができるわけです。つまり、捨て案には「発注者が迷わず本命案を選べるようにする」、もっと言ってしまえば「発注者が自ら選んだと錯覚させる」という効果があります。
また、もう少し積極的な意味として、本命のコンセプトが明確になるという側面もあります。捨て案の駄目な部分を確認し、それがなぜ駄目なのかを理解すれば、本命案の意図やコンセプトも理解しやすくなるでしょう。
とはいえ、捨て案はもとより捨てられる前提のものであり、作らなくても良いものです。捨て案とはいえデザインとして成立させなければならないわけで、その作成にはかなり時間がかかります。その時間を1案のブラッシュアップに費やした方が、最終的なクオリティは高くなる場合が多いでしょう。
RFPを作る際は、複数案を出させることが本当に必要なのかどうか、よく考えてから決めた方が良いと思います。
2012年11月2日(金曜日)
ウェブアクセシビリティ基盤委員会 作業部会2の副査になりました
公開: 2013年3月8日22時40分頃
ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC) (waic.jp)のサイトにて、「委員会の新人事に関するお知らせ (waic.jp)」というものが出ています。
前委員長の渡辺先生が辞任され、インフォアクシアの植木さんが委員長になると共に、各作業部会の主査・副査も結構変わりました。と言っても、全く新しい外部の人が来たというわけでもなく、委員として活動してきていた人から選ばれている形です。
で、私はというと作業部会2の副査になりました。
作業部会2は「実装」のワーキンググループで、「アクセシビリティ・サポーテッド情報 (waic.jp)」の作成や技術文書の翻訳、技術的な質問への回答などを担当しています。実は以前から結構活動していて、月1~2回のペースで集まっていろいろ議論しているのですが、活動内容や成果が外から見えにくかったりなど、課題もありました。
新しい体制で、より積極的に活動していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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