水無月ばけらのえび日記

bakera.jp > 水無月ばけらのえび日記 > 魔法少女まどか☆マギカ ブルーレイディスク 5巻 / キュゥべぇは本当に「契約」しているのか?

魔法少女まどか☆マギカ ブルーレイディスク 5巻 / キュゥべぇは本当に「契約」しているのか?

2011年8月24日(水曜日)

魔法少女まどか☆マギカ ブルーレイディスク 5巻 / キュゥべぇは本当に「契約」しているのか?

公開: 2011年8月28日16時50分頃

BD5巻、届きました。

パッケージがメガネみつあみほむら!

そして収録されているのは9話と10話!!

9話も素晴らしいですが、個人的には10話が最強だと思っています。何度見ても良いですし、何度見ても泣きそうになります。

……以下、ネタバレを含みます……。

ところで、私が10話で疑問に思ったのは、「キュゥべぇはほむらの願いを叶えているのか?」ということです。ほむらが契約する時、一見すると2つの願いを言っているように見えます。

この願いは叶えられたのでしょうか?

まず、後者については実現していないと言って良いと思います。少なくとも3周目までは、ほむらは守られる立場であって、守る立場にはなっていません。4周目以降は守る立場になったかに見えますが、最後の最後 (12話) では、やはり守られる立場になっています。

とはいえ、これが実現しなかったことは問題ないでしょう。願いは1つというルールのはずですし、そもそもこれは願いではなく、最初に言った願いの背景となる動機を説明したに過ぎない、とも考えられます。

では、最初の願いについてはどうでしょうか。これは一見すると叶えられているように見えます。しかし問題は、「やり直し」が1度きりではなく、何度も行われているという点です。

もし契約の対価としてキュゥべぇが願いを叶えたのであれば、「やり直し」は1回だけしか発生しないのではないでしょうか。2回目以降の「やり直し」の時点では、ほむらは最初に契約したキュゥべぇと異なる時間軸にいます。ほむらはその時間軸のキュゥべぇとは契約していませんし、最初のキュゥべぇが時間軸を超えて何度も願いを叶えていると考えるのも不自然です。少なくとも2回目以降の「やり直し」は、キュゥべぇが叶えたものではなく、ほむらが自らの意思と力で実行したもののように思えます。ほむらにはキュゥべぇの力を借りずに「やり直し」できる力が備わっている、と考えるのが自然でしょう。

すると、1回目の「やり直し」についても、キュゥべぇが叶えたのかどうか疑わしく思えてきます。そのエフェクトは2回目以降の「やり直し」とまったく同じで、この回だけが違っているようには見えません。また、契約時のやりとりを注意深く見ると、ソウルジェムが発生した後、キュゥべぇは「解き放ってごらん、その新しい力を」と言っています。キュゥべぇの言葉を素直に読むと、まずほむらに「新しい力」が宿っていて、それをほむら自身が解き放つことによって「やり直し」が発生したのだと考えられます。

そう考えると、以下のような仮説が浮かんできます。

こう考えると、ほむらが2回目以降の「やり直し」を実行できることが説明できます。しかし、そうすると「契約」はいったい何だったのか、という問題が出てきます。

魔法少女の「契約」は、キュゥべぇ側が願いを叶え、そのかわりに魔法少女が魔女と戦うという双務契約を装っていました。しかし上記の仮説では、実はキュゥべぇは少女を魔法少女化するだけで、自身は何もしていないということになります。さまざまな悲劇について、キュゥべぇは願いを叶えた代償であるという論理を持ち出してきますが、そのような論理は成立しなくなります。

そしてさらに冷静に考えると、このほむらとの契約、実はキュゥべぇの側にもメリットがないものになっています。キュゥべぇの目的はエネルギーの回収ですが、「やり直し」により、ほむらはこの時間軸から消滅してしまいます。そうなれば、この時間軸のキュゥべぇは、ほむらからエネルギーを回収することができません。キュゥべぇは完全に打算で行動する生物 (?) なので、メリットがないのに契約するというのもおかしな話です。

そんなことを考えると、さらにこんな仮説も生まれてきます。

この仮説は、12話での契約時のやりとりとも整合するように思います。

ただ、これが正しいとすると、実は「契約」がそもそも存在しないという話になってくるわけで、はてさて……。

関連する話題: 買い物 / BD / 魔法少女まどか☆マギカ

最近の日記

関わった本など