ゆとり時代のRPGとチュートリアル機能
2010年6月14日(月曜日)
ゆとり時代のRPGとチュートリアル機能
公開: 2010年6月16日23時35分頃
こんな記事が……「ゆとり」が「甘やかし」に化けた日本 (business.nikkeibp.co.jp)。
子供たちが熱中するテレビゲームにしても、最近はロールプレイングゲームでは「チュートリアル機能」というのがついているそうです。それはゲームをして困った時に、そこにアクセスすれば、簡単に突破する方法が分かると言うものです。
要するに、答えを出すために、あまり苦労しなくても、できてしまう。そんなゆとり世代がいきなり社会人になって、成果主義だ、なんて言われても、とても対応できないでしょう。
以上、「ゆとり」が「甘やかし」に化けた日本 より
チュートリアルというのは、実際に操作をしながらルールや操作方法を学ぶ機能のことです。「困った時に……アクセスすれば、簡単に突破する方法が分かる」といったような機能ではありません。チュートリアルの最中に与えられた課題は簡単に突破できるでしょうが、それは学ぶために用意された場だからです。本番が簡単になるわけではありません。
※簡単に突破する方法を知りたければ「ゲーム名 攻略」で検索するとあっという間に分かったりしますが、それはもちろん「チュートリアル機能」ではありません。
筆者は「最近は」と述べていますが、チュートリアルという考え方は大昔からあります。初代のドラゴンクエスト (www.amazon.co.jp)の最初の場面について、堀井雄二氏は次のように述べています。
『ドラクエ』を出すまではアクションゲームが主流だったので、どうなるのかなあという気持ちはありました。そのために、とっつきやすくなるような工夫はいっぱいしましたけどね。まずゲームの最初は、王様の部屋にとじこめられていて、とりあえずコマンドをいろいろ入れないと出られない。でも部屋を出たときには、宝箱をあけて、人と話して、ドアを開けて、階段を降りるといった、ゲームに必要なコマンドをだいたい覚えられるようにしたんです。戦闘になれば、相手が襲ってくるので「たたかう」を押していればいい。そうすれば経験値があがって、レベルアップして、どんどん強くなっていく。
以上、Entertainment Meister - Vol.2 堀井 雄二 インタビュー | 文化庁メディア芸術プラザ より
「チュートリアル」という名前こそ出てきませんが、これはまさにチュートリアルの機能でしょう。このドラゴンクエストが発売されたのは1986年5月27日。今から24年も前の話です。
チュートリアル機能を明確に打ち出したものとしては、ファイナルファンタジー5 (www.amazon.co.jp)の「初心者の館」が思い浮かびます。この発売が1992年12月6日で、18年前。チュートリアルという名前をそのまま使っていたものとしては、ファイナルファンタジータクティクス (www.amazon.co.jp)がありますが、1997年6月20日の発売で13年前です。いずれも「最近」と言うには古すぎますし、「ゆとり教育」が始まる前の話です。
ゆとり教育が始まったのは2002年と言われます。その年にはどんなRPGが出ていたのでしょうか。
私自身の日記を見ながら振り返ってみると、2002年は中古のワンダースワンカラーで旧作ゲームばかりプレイしていたことが分かりますが……ひとつ、スクウェアから出た新作のRPGがありました。私が購入したのは2003年の2月のことですが、発売日は2002年12月19日。そのゲームの名は「アンリミテッド:サガ (www.amazon.co.jp)」です。
ゆとり教育への転換の年に発売されたゲームですから、さぞかし親切で充実したチュートリアルがありそうに思えますね。筆者の方には、是非このゲームをプレイしてみていただきたいと思います。
※どんなゲームなのか知りたい方は、アンリミテッド:サガに関する日記をご覧ください。操作方法のあまりの難しさについて行けないプレイヤーが続出し、あっという間に値崩れした伝説のゲームです。
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