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JIS X 8341 の規格の内容

2006年10月20日(金曜日)

JIS X 8341 の規格の内容

全盲読者に配慮したWebページ作りを妨げる文部科学省と環境省と地方自治情報センター (takagi-hiromitsu.jp)」という話で JIS X 8341-3 が話題になっていたので、日頃思っていることをメモ。

常日頃から JIS X 8341-3 についてはいろいろ言っていますが (ここには書いていませんが)、一番気になっているのは議論しにくいと言うことです。基本的には規格協会から有料で購入しないと内容が閲覧できなかったため、個人で Web サイトを作っているような人には閲覧しにくかったし、議論もしにくくなっていました。いちおう日本工業標準調査会 (www.jisc.go.jp)のサイトで規格の内容が閲覧できるようになっていたりするのですが、Web 経由での閲覧が非常に面倒で、WCAG と比べると非常に議論しづらいです。

※だいたい、コピー & ペーストもできませんし……。まあ、買ってもらうためにあえて面倒にしているのだろうと思いますが。

ともあれ、その議論しにくい JIS X 8341-3 の内容の一部を引用しておきます。

e) 利用者の意思に反して、又は利用者が認識若しくは予期することが困難な形で、ページの全部若しくは一部を自動的に更新したり、別のページに移動したり、又は新しいページを開かせてはならない。

参考 新しいページが開いたりページが移動したりすることによって、現在の位置又は状況を判断しにくい場合がある。

例1. ページの移動又は更新をするときは、事前に知らせるなど、利用者が選択できるようにする。

例2.ページのフレームを更新するとき、又は一部分を更新するとき、事前に知らせたり、解説ページを用意するなどの方法で、利用者が変更を事前に予期できるようにする、又は変化を認識したりできるようにする。

以下は附属書から。

d) ページの更新

利用者がリンクを選択すると新しいウィンドウを開いてページを表示する場合には、新しいウィンドウで表示されることを明記する。

例 新しいウィンドウで開かれることを追記する。

- 記述例 -

<p><a href="news.html" target="_blank" title="ニュースのページへ(新しいウィンドウで表示)">ニュース(別ウィンドウ)</a></p>

どう見ても「新しいウィンドウを開かない」ではなく、「新しいウィンドウを開くときは注釈をつける」という内容です。

「全盲読者に配慮」という枠にとどまると、「全盲の人でも『新しいウィンドウで表示』と読み上げられれば混乱しない」という話で終わってしまうわけですね。ある意味それは間違っていないのでしょうが、もっと別な視点がたくさんあるはずです (たとえば全盲でないユーザも混乱しているとか)。

詳しくは書きませんが、他にも非常に微妙な部分が多数あります。さらに問題なのは、それらを逐一引用して議論するのが非常に難しいという点であり……。

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