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2019年6月23日(日曜日)

4.5:1に苦しむデザイナーの皆様へ

公開: 2019年6月23日23時40分頃

WCAG 2.0 の達成基準 1.4.3 にはカラーコントラストの基準があり、背景と文字とに4.5:1以上のコントラスト比を持たせることを要求しています。

1.4.3 コントラスト (最低限) : テキスト及び文字画像の視覚的提示に、少なくとも 4.5:1 のコントラスト比がある。ただし、次の場合は除く: (レベル AA)

  • 大きな文字: サイズの大きなテキスト及びサイズの大きな文字画像に、少なくとも 3:1 のコントラスト比がある。
  • 付随的: テキスト又は文字画像において、次の場合はコントラストの要件はない。アクティブではないユーザインタフェース コンポーネントの一部である、純粋な装飾である、誰も視覚的に確認できない、又は重要な他の視覚的なコンテンツを含む写真の一部分である。
  • ロゴタイプ: ロゴ又はブランド名の一部である文字には、最低限のコントラストの要件はない。

以上、WCAG 2.0 達成基準 1.4.3 コントラスト (最低限) より

最近、デザイナーの方から、この基準に苦しんでいるという話を良く聞きます。コントラスト比4.5:1を満たすような色の選択は簡単なように思えるかもしれませんが、元々定義されているブランドの色が基準を満たせていない場合など、かなり難しい場合があるようです。

話を聞いていると、どうも、4.5 という数字が強く意識され過ぎているように思います。

4.5という数字は便宜的に設けられた基準値で、絶対的な意味があるわけではありません。

見え方は人により、環境によりさまざまです。コントラストが高ければ、より多くの人が、より多くの環境で読むことができるようになります。そこにハッキリした境界はありません。4.4:1になると全く読めなくなるとか、4.5:1なら誰にでも読めるということではないのです。コントラストをあげればあげるほど、より多くの人に、より多くの環境で読まれるようになります。

とはいえ、基準を満たすかどうか判定する際には 4.5 という数値が使われ、少しでも下回れば基準を満たさないことになります。ですから、「WCAG 2.0のAAレベルの基準に適合せよ」という要件がある場合にはこの数字が重要な意味を持つこともあるでしょう。しかしそれは、あくまで、基準を満たすという観点での意味しかありません。

なお、WCAG 2.0 には1.4.6 コントラスト (高度) (waic.jp)という達成基準もあり、こちらでは7:1のコントラストを推奨しています。4.5 よりも 7 のほうが望ましいですし、もっと大きくても良いわけです。また、WCAG 2.1には非テキストのコントラスト (waic.jp)という基準もあります。

まとめると、

4.5を上回れなければ取り組みをする意味がない、ということはありませんので、あくまで参考値として、少しでも高いコントラストを目指していただければと思います。

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