水無月ばけらのえび日記

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やってしもうた

2003年7月22日(火曜日)

やってしもうた

HTML 関係で久々に頭に来ました。asahi.com : Be on Saturday の「夏休みホームページ作り(上)」 (www.be.asahi.com)

図【4】の4行目の<H1>は、見出しであることを表しています。Hに続く数字は1から6まで。数字が小さいほど、文字は大きく強調されます。6行目の数字は本文の文字サイズを指示しています。1から7までありますが、こちらは数字が大きいほど文字が大きくなります。見出しと本文の数字の指示の仕方が逆というのは、ほとんど嫌がらせかとも思えますが、ここは淡々と行きましょう。

以上、asahi.comの夏休みホームページ作り(上) より

※引用文中の強調は引用者による

やってしまいました。

念のため説明しておくと、h1h6 は見出しを示す要素で、1~6 の数字は見出しのレベルを表しています。このレベルは文字のサイズとは関係ありません。多くのブラウザのデフォルトスタイルが、たまたま文字サイズの変化で見出しレベルの差異を表しているというだけです。表示の仕方が逆も何も、そもそも文字サイズとは関係ないのです。

こういった基本的な概念も理解せずに「嫌がらせかとも思えます」などと書いてしまったりするような人は、もう 3年くらい前に絶滅したものとばかり思っていました。なんでこんなところで復活しているのでしょうか。

しかしまあ、このように概念を勘違いしていたり、用語がおかしかったりするのには、とりあえず目をつぶるとしましょう。許し難いのは、例として出している HTML が HTML として思いっきり間違っているということです。

例の HTML は画像になってしまっているので、テキストにして引用しておきます。

<html>
<body>
<font color="blue">
<H1><center>ホームページ講座3回のスケジュール
</center></H1></font>
<font size=5><center>
7月19日号 まず文字だけのページから
<br>
7月26日号 画像を張ってみます
<br>
8月2日号
</center>
</font>
</body>
</html>

「画像を張ってみます」は原文のママ (貼る?)、誤ったマーク付けもすべて原文のママです。ここを読んでいる方の多くにはもう見た瞬間に悟って頂いていると思いますが、念のため、どこがどう間違っているか箇条書きにしておきます。

まあ、titleがなかったり文書型宣言がないのは、ステップを追って解説していくうちに登場してくるのだろうと考えることもできます。しかし、font要素の中に H1 要素を入れようとしてしまっていることについては、フォローのしようがありません。

「インライン要素の中に h1 などのブロック要素を入れることはできない」というのは HTML の初歩的な知識ですが、この著者はその初歩すら全く理解していないようです。そもそもインライン要素とブロック要素の区別もついていないでしょう。

※本当はそれ以前に、font 要素や center 要素を使った 5年半も前の HTML を今教えることの意義についても検討すべきでしょうが、ここでは棚上げにしておきます。さらに、font 要素で色指定することによるアクセス性への影響などについても検討すべきですが、まるごと棚上げにしておきます。この著者に期待できる事柄でもないでしょうし。

この犯人「『初めてHTMLに挑戦する人のためのらくらくホームページ』(かんき出版)を著した石澤義裕さんと狩野祐子さん」なのだそうで。その本の内容が一体どうなっているのか、非常に良くない意味でとても気になります。

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