個人情報とは何なのか
2012年5月9日(水曜日)
個人情報とは何なのか
公開: 2012年6月2日14時5分頃
こんなお話が……「「個人情報」定義の弊害、とうとう地方公共団体にまで (takagi-hiromitsu.jp)」。
ポイントをまとめると、こんなところでしょうか。
- 個人情報保護法の「個人情報」の定義はかなり狭い。一般の人が保護して欲しいと考える情報の全てが対象になるわけではない。
- 個人情報保護法とは別に「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」という法があり、「個人情報」の定義が微妙に異なっている (括弧書きの中に書かれていることが違う)。
- 地方自治体の条例でも、それぞれ独自に「個人情報」を定義している。「個人情報保護法」と同じ定義をしているもの、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」と同じ定義をしているもの、どちらでもないものが入り乱れていて、自治体ごとに定義が異なっている。
こういったことから、「個人情報」の定義を巡る混乱が生じているのではないか、という話かと思います。
法である個人情報保護法での定義が狭いという話については、これはある意味必然だと思っています。法は、法的な義務として絶対にやらなければならないことを定めていて、それを義務づけているわけですから、あまり範囲を広く設定されては困ります。
問題なのは、そのことを盾にして「個人情報にあたらないから問題ない」などということを平然と言ってしまう人がいることでしょう。
そもそも、一般の人が「個人情報が心配です」と言っているとき、その「個人情報」という言葉は、必ずしも個人情報保護法の定義どおりに使われているとは限りません。問われているのは「法がどうなっているか」という事ではなく、「あなたはどういうポリシーで情報を取り扱うつもりなのか」という事でしょう。
にもかかわらず、「それは個人情報にはあたらないので問題ありません」などと回答してしまい、法の「個人情報」にあたるかどうかという話に終始してしまうパターンが多いように思います。それでは肝心な点を答えていませんし、そもそも議論がかみ合っていません。
もはや「個人情報」という言葉は議論に使わないほうが良いのかな、と思ったりもしますね。
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