水無月ばけらのえび日記

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SEOとフレーム

2006年10月30日(月曜日)

SEOとフレーム

ネットショップ&アフィリエイトのためのSEO対策 Lesson 1.フレーム構造はSEO的に不利? (internet.watch.impress.co.jp)」という記事が。

例を挙げますと、「高知競輪」サイト< http://www.kochi-keirin.co.jp/ >は、「このサイトはフレーム・フラッシュを使用しています。」という検索語を入力してヤフーで検索すると、トップに登場します。しかもインデックスされているのはフレームの内部ではなく、フレームを定義している親ファイルです。

ロボット型検索エンジンではグーグルに遅れをとっていたヤフーですが、このテクノロジーはナイスと言えるのではないでしょうか。

はあ。「このサイトはフレーム・フラッシュを使用しています。」という語を検索すると「高知競輪」サイトがトップに来るのだそうですが、それのどこが「ナイス」なのでしょうか。どのようなユーザが「このサイトはフレーム・フラッシュを使用しています。」という語を検索するのか、そのユーザが「高知競輪」サイトを訪れることにどんなメリットがあるのか、ちょっと想像できないのですが……。

例が不適切すぎるので意味不明になってしまっていますが、おそらく作者が言いたかったであろうことをまとめると、以下のようになります。

要するに、ヤフーの場合はフレームの中身のページへ直リンクされず、親フレームにリンクされるという話です。これはこれで興味深い話ではあります。

ただし、これが有効なのは frame要素src属性で直接指定されたページだけですので注意が必要です。フレーム内で遷移が発生するとき、遷移先のページはやはり親フレームとは切り離されて直接リンクされてしまいます。たとえば、「高知競輪」サイトで左側フレームの「サテライト南国」を選んだときに出てくるページですが、これはヤフーで「サテライト南国」を検索すると 3番目にヒットします。このとき、リンク先はフレームの中身のページとなり、左のメニューは表示されません。まあ、そもそも遷移先ページをフレームの中に表示するようなリンク方法は存在しないので、当然ですが……。

Googleはフレームを「インターネットの利便性に反する」という理由で使用しないように呼びかけていましたが、ヤフーがそれをテクノロジーで超えてしまい、とりあえずヤフーにインデックスされれば良い、という方でしたらフレームもアリの時代になってしまったのです。

フレームが「インターネットの利便性に反する」のは、単純に「検索エンジンにとってアクセシブルでないから」という話ではないでしょう。Google もちゃんと noframes の内容を読んでいますので、フレームを使っていても、noframes にちゃんと代替内容が書かれていればそれがヒットするようになっています。ですから、検索エンジンから見れば、「フレームが使われていても適切な noframes があれば問題ない」と言えます。

どちらかというと、フレームの中でページ遷移する場合、その遷移先にリンクするのが難しいということが問題です。これは検索エンジンだけの問題でありません。誰かが blog でフレームの中のページを紹介したくなっても、フレームの外側とセットにしてリンクする手段がないわけです。つまり、うまくリンクできないわけで、これは WWW の利便性には真っ向から反します。

そして Google のページランクの仕組みは、「良いページはリンクされる」という前提で考えられていますから、「良いページなんだけど、フレームだからリンクしづらい」というページが存在すると、それはうまく評価できないことになります。この意味で、フレームがまわりまわって Google を使いにくいものにしている可能性はあるでしょう。

フレームを使用することのメリットは「簡単にページを増やせる」ということです。

意味が分からないのですが、もしや、「提供するコンテンツの量は同じでも、フレームにすると HTML の枚数が増えるので SEO 的に有利」という主張なのでしょうか……。コンテンツが充実していないなら充実させるのが先決で、小手先の技で見かけ上のページ数を増やしても仕方ないと思うのですが。

なんというか、ヤフーの挙動などは面白い話なのに、全体としては「SEO」というキーワードにつきまとう「うさんくさい」イメージが強化されてしまっているなぁ、という感想です。

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