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原子力のコスト再試算

2012年2月2日(木曜日)

原子力のコスト再試算

公開: 2012年2月13日2時10分頃

こんな記事が……「世界初、原発の見えなかったコストを解明する 日本のエネルギー政策、ゼロから出発するための第一歩 (business.nikkeibp.co.jp)」。エネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」によるコスト試算の解説ですね。

2011年10月3日、古川元久・国家戦略担当大臣を議長とするを設置することを決定した。これは、東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえて、ゼロから見直すことになったエネルギー環境戦略を検討するための第一歩であった。特に、従来、安いとされてきた原発のコストなどを徹底的に検証することは、聖域なき検証の大前提になるという認識に基づくものであった。

かつては事故なしを前提としていて、社会的費用も含まないコスト計算になっていたようですが、今ではそのような考え方はできないということですね。それで計算し直した結果が……。

その結果は、下限が約9円/キロワット時(注1)であり、上限については示せないということであった。2004年、電気事業連合会が経済産業省の総合エネルギー調査会・電気事業分科会に提出した試算などに基づき、これまでよく言われていた5~6円/キロワット時程度という水準から考えると、下限でも5割以上は高いという試算結果である。

……5割増になったというお話。しかもこれは下限で、つまり最低でもこれだけの金額という値です。実際にはもっと高い可能性もありますが、上限を求めることは困難だという判断もしています。読んでみると、試算することの難しさが良く分かります。

新たな戦略を考える上では正確な見積もりが重要なのですが、下限が分かるだけでも参考にはなるでしょう。この試算が将来のエネルギー戦略に貢献することを期待します。

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