ITシステム導入の失敗
2011年11月21日(月曜日)
ITシステム導入の失敗
公開: 2011年11月27日13時40分頃
こんな記事が……「「IT中毒」の会社が陥る会議漬け [14]仕事を減らしたくない事務方が導く無限ループ (business.nikkeibp.co.jp)」。
本当は必要か不要なのか分からないのに、ITを導入検討したくなる人たちがいる。それが、いわゆる「事務方」と呼ばれる人たちだ。企画部や社長室といった、企業の事務方部門はIT化の検討、導入サポート、お守りをするのが仕事の大半を占めていたりする。最初はそのつもりがなくとも、結果的にそのようになっているケースが多々あるのである。
私もIT企業に勤めていたのでよくわかる。IT企業の営業がターゲットにしている部門は、まさにこういった企業の「事務方」である。彼らは事務方部門に出入りし、営業攻勢をかけて、多額なシステムの導入を検討してもらっているのだ。
「なぜ経営者は使えない情報システムを採用するのか」という話がありましたが、同じことを別の方向から見たような感じの話ですね。
本来は「業務を効率化しようとしたらシステムが必要になった」という流れであるはずで、そういうニーズもないのに「システムを導入すれば業務が効率化されるはず」という話になってしまうと、高確率でプロジェクトは迷走します。
これはCMSも同じです。「どういう体制でサイトを運営したいのか」という構想があった上でCMSが必要になって導入する、というのなら問題ありません。しかし、世には「CMSを入れる」ということが目的化してしまっているプロジェクトが結構あります。そういうやり方をすると、導入時の開発プロジェクト自体が迷走してCMSの品質が低下したり、結局のところ現場の満足度が低かったり、といったことになりがちです。
何事も、目的をしっかり認識することが重要ということだと思います。そして時には、目的に必要のないシステムをバッサリ捨てる覚悟も必要でしょう。
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