水無月ばけらのえび日記

bakera.jp > 水無月ばけらのえび日記 > 魔法少女まどか☆マギカ ブルーレイディスク 6巻 / 12話 : アルティメットまどか

魔法少女まどか☆マギカ ブルーレイディスク 6巻 / 12話 : アルティメットまどか

2011年9月22日(木曜日)

魔法少女まどか☆マギカ ブルーレイディスク 6巻 / 12話 : アルティメットまどか

公開: 2011年10月1日13時15分頃

魔法少女まどか☆マギカBD6巻 (www.amazon.co.jp)、12話。

魔法少女ものなのに、主人公がいっこうに魔法少女にならない……というまさかの展開でずっと引っ張ってこられました。ここでの最大の関心事は、「まどかはどんな願いで契約するのか」ということでしょう。ここまでさんざんひどい目に遭ってきましたが、ずっと温存してきた願いのチャンスを使うことで、何か大逆転があるのではないか……と、多くの人がそう思っていたはずです。

そして実際、まどかは願いを言うわけですが、契約に関しては以前、「キュゥべぇは本当に「契約」しているのか?」という話を書きました。12話の契約シーンでも、キュゥべぇはこんなことを言っています。

その祈りは……そんな祈りが叶うとすれば、それは時間干渉なんてレベルじゃない。因果律そのものに対する反逆だ!

(息をのむ) キミは本当に神になるつもりかい?

願いを叶えてやろうという感じではなく、願いの内容に驚きおののいている様子です。「叶うとすれば」という仮定を口にしている時点で、キュゥべぇが自身の意思で願いを叶えている訳ではないらしいことが伺えます。その後まどかは、

さあ、叶えてよ。インキュベーター!

と言っていますが、それに対してキュゥべぇが意思表示をした様子はありません。やはりキュゥべぇの意思とは関係なく魔法少女化しているように思えますね。

このまどかの願いに関しては、これが本当にベストだったのか、もっと良い方法があったのではないか、という疑問もありますが、考察をふくらませていくのは難しいです。何故かというと、願いや契約のルールが良く分からないからです。キュゥべぇは、まどかが願いを言う前にこんなことも言っています。

あまたの世界の運命を束ね、因果の特異点となったキミなら、どんな途方もない望みだろうと、叶えられるだろう。

「キミなら……叶えられるだろう」と言っているので、誰でもどんな願いでも叶えられるわけではなく、叶わない場合もあるらしいという事が分かります。しかし何が叶って何が叶わないのか、どういう制約があるのかは語られていないので、考察する余地がありません。

ただ何となく分かっているのは、願いが大きければ代償も大きくなるらしいということです。大きな願いをして大きな奇跡を生めば、同時に大きな呪いを生み出す、という主旨の話をキュゥべぇはしています。エントロピーを凌駕すると言っていますが、奇跡と呪いとの間には保存則のようなものがあるのか、奇跡を生めば、少なくともそれ以上の呪いが生まれるらしい……これはつまり、呪いを完全に消すことはできないということを意味します。

まどかの願いは、この保存則を逆手に取ったものなのかもしれません。まどかが呪いを浄化すると、まどかはより大きな呪いを生み出すことになります。このままでは単に強力な魔女ができるだけですが、まどかの願いは「全ての宇宙、過去と未来の全て」を対象にしているため、呪いを生んだまどか自身も対象になります。すると、まどか魔女化→まどかがその魔女を浄化→そのまどかが魔女化→まどかがその魔女を浄化→そのまどかが魔女化、という無限の再帰が発生します。

この宇宙からまどかの存在が消滅する結果になったのは、この無限を生む存在が宇宙と相容れなくなってしまったから、と考えることもできそうです。まどかは「アルティメットまどか」形態に変身していますが、それがこの途中経過なのか、無限の果てに行き着いたものなのか、それともまた違うものなのかは分かりません……。

※ちなみに「アルティメットまどか」は付属ブックレットの設定資料での名称で、オーディオコメンタリーによると、台本では「ハイパーアルティメットまどか」となっていたそうです。名前はわりとテキトーなのでしょう。

関連する話題: 買い物 / BD / 魔法少女まどか☆マギカ / 思ったこと

最近の日記

関わった本など