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略式命令と起訴

2002年5月24日(金曜日)

略式命令と起訴

ふと、いわゆる略式裁判で罰金に落ち着いた場合「起訴されていない」ということになるのかしらん、という疑問を抱いたりしました。刑事訴訟法を見ると、

略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、書面でこれをしなければならない。

(2)前項の書面には、前条第二項の書面を添附しなければならない。

以上、刑事訴訟法第462条 より

と言う具合に、公訴の提起も同時になされることになっています。ですから略式命令 の場合は、それとは別途に公訴の提起(つまり起訴)もなされていると。

ただし、以下のような判例があります。

略式命令の請求は、簡易裁判所に対しその管轄に属する事件につき公判前の対審でない手続として略式命令で罰金または科料を科せられたき旨の公訴に付帯する検察官の請求であって、その請求の基礎たる公訴の提起そのものまたはこれと不可分の一体をなす特種の公訴提起方法ではない。

以上、最大判昭24・7・13刑集3-8-1299 より

というわけで略式命令の請求自体に公訴の提起としての効力はありません。何らかの理由で略式命令の請求のみがなされて公訴の提起がなされていない場合、起訴としての効力はないと言うわけです。

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