屈する系の理屈が良く分からない
2004年4月12日(月曜日)
屈する系の理屈が良く分からない
以下は何となく思ったこと。最初に言っておきますが、「何となく思った」だけなので、根拠等はありません。
テロリストが「人質を取って交渉する」という選択肢を奪われたときに、では「交渉に応じないと分かっているので、おとなしく諦める」という選択をするのでしょうか。「交渉に応じないと分かっていても人質を取る」とか、「交渉に応じないと分かっているので、もっと別な手段を使用する」とかいう選択がなされる可能性はないのでしょうか。
9.11 以来、複数の人が複数回「テロに屈しない」という言葉を発していて、その通りの態度を取っているように思いますが、テロの危険はあまり減少していないし、むしろ増加しているように思えます。これは
- テロに屈しないという態度によってむしろ増加している
- テロに屈するかどうかは増減とは無関係で、別の理由によって増加している
- テロに屈しないという態度によって減少しているのだが、別の理由で増加しており、増分の方が大きい
のいずれなのでしょうか。
スペインはある意味「テロに屈した」と言えなくもないのですが、スペインに対してテロ事件が増えそうでしょうか。
つまりどういうことかというと、「一度脅迫者の要求を受け入れると、同様の脅迫が多発することになる」というのが正しいのかどうかちょっと良く分からないのです。皆さん当たり前のように言われていて、そう言われると「なんとなく」正しそうには感じるのですが、これが私の中では「なんとなく」以上の地位を得ることができないでいるのです。
これに何か科学的な裏付けはあるのでしょうか。
- 脅迫者の要求を受け入れると、同様の脅迫が増加することになる
- 脅迫者の要求を拒否すると、同様の脅迫が減少することになる
のいずれかが統計的に言えれば OK なのだろうと思います。ただし、
- 脅迫者の要求を受け入れると、同様の脅迫が増加することになるが、より凶悪なテロ事件は減少する
- 脅迫者の要求を拒否すると、同様の脅迫が減少することになるが、より凶悪なテロ事件が増加する
という可能性についても検討しておかなければならないでしょう。
何かそういう調査ってあるのでしょうかね。
※身代金事件の調査なんかありそうな気がするのですが、身代金要求はどう考えても無差別殺戮テロによって代替される余地がないので、性質が違うような気もしています。
※念のために言っておくと、「一度脅迫者の要求を受け入れると、同様の脅迫が多発することになる」というのが「正しくない」と思っているわけではなくて、「正しいと言えるのかどうか分からない」のです。また、これが正しくなかったとしても、別の理由によって「要求をのむべきでない」という結論が得られることは十分にあり得ます。
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