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2011年8月19日(金曜日)

Pマークを要件とする入札は不公正

公開: 2011年8月22日2時30分頃

こんな記事が……「天下り先への補助金、廃止後も形変え継続 防衛省 (www.asahi.com)」。

事業は一般競争入札で発注し、誰でも参加できる形にしていたが、入札直前に天下り先以外の参加が難しい条件をつけてライバルを排除していた。

「難しい条件」の具体的な内容は書かれていませんが、左の図を見ると「Pマーク」が利用されていたようですね。琉球新報に詳しい記事が出ていました……「天下り法人が独占 防衛省の防音工事補助金手続き代行 (ryukyushimpo.jp)」。

防衛省によると、同業務の発注は一般競争入札だが、個人情報を管理できる団体を第三者機関が認証して交付する「プライバシーマーク(Pマーク)」の認証を持つ業者か、申請中の業者しか入札に参加できない。Pマークの認証は5人規模の事業者でも30万円ほどかかるという。

以上、天下り法人が独占 防衛省の防音工事補助金手続き代行 より

入札の要件としてPマークを必須とすれば、Pマークを取得できないような企業は排除されます。それを意図的に、天下り先以外が入札できないようにするために行ったのではないか、という疑惑があるわけですね。Pマークは無意味ではないか、という批判はしばしば聞きますが、こうなると無意味どころか有害ということになりかねません。

とはいえ、プロジェクトの遂行に個人情報保護の体制が必要になる事はあるでしょうから、個人情報の取扱体制について問うことには合理性があると言えます。しかしその場合、重要なのはマークではなく、実際に個人情報に配慮した運用ができるかどうかでしょう。マークがなくても個人情報保護への取り組みを行っている企業はありますし、マークがあるのに個人情報を流出させてしまった企業もあります。Pマークがなくても、個人情報に配慮した運用ができることが示せれば問題ないはずです。入札ではマークの有無ではなく、取り組みの姿勢や体制を問うべきです。

そう考えると、たとえ天下り先優遇を意図していなかったとしても、Pマークを要件とするような入札はそれ自体が不公正だと言って良いように思えてきますね。

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