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2011年7月29日(金曜日)

ウェブサイトをFacebookに移行する話

公開: 2011年8月6日22時15分頃

こんなお話が……「佐賀県武雄市、市役所の公式サイトをFacebookページに移行 (internet.watch.impress.co.jp)」。

意味が分からない、驚いた、といったような反応もあるようですが、個人的には驚きはありませんでした。

企業や組織にとって、ウェブは顧客や利用者とのコミュニケーションの場です。そこで使われるツールがウェブサイトや電子メールでした。そして今、新たなツールとしてTwitterやFacebookが注目されています。

TwitterやFacebookの利用が増えてくれば、相対的にウェブサイトや電子メールの重要性は低下してきます。「今後、ウェブサイトは必要なくなるのではないか?」という疑問が当然出てくるわけで、bAの社内でもかなり真剣に議論されてきました。

しかし、少なくとも当分の間は、ウェブサイトがなくなることはないだろうと思っています。ウェブサイトでなければ実現できないことがいくつかあるからです。

まず、信頼の問題があります。TwitterやFacebookでは、誰でもアカウントを取得したりファンページを作成したりできますし、名前も早い者勝ちですから、なりすましの問題があります (Twitterには認証済みアカウントというものもありますが、利用するのはそれほど簡単ではありません)。それに対し、ウェブサイトには、ドメイン名やサーバ証明書 (PKI) による信頼の枠組みがあります。多くの企業は、自社のドメイン上にTwitterアカウントをリストアップしたページを用意するという方法で、サイトの信頼をTwitterアカウントに反映されています。

また、TwitterやFacebookでは扱いにくいコンテンツもあります。会社情報、地図、IR情報、CSRレポート、プレスリリースといった、典型的な企業情報サイトのコンテンツは、全く扱えないわけでもないのでしょうが、ウェブサイトに置く方が扱いやすいでしょう。

つまり、顧客とのコミュニケーションをTwitterやFacebookにシフトしても、ウェブサイトに置くべき情報はあるはずだということです。ただし、そのときのウェブサイトは、従来の企業サイトとはいくぶん違った姿になるかもしれません。

bAは最近、立て続けに新サービスのプレスリリースを出しています。

この2つはあまり関係ないと思われているかもしれませんが、実はそうでもないということです。

……とまあ、そんなこんなを考えたりしているわけですが、武雄市の話で気になったのはこの部分ですね。

佐賀県武雄市は8月1日正午より、市役所の公式サイトをFacebookページに完全移行する。現行のウェブサイトは閉鎖し、情報発信をFacebookページに一元化する。

現行のウェブサイトは閉鎖するのだそうで。そうするとなりすましの危険などが考えられるわけですが、どのように対処していくのか興味深いです (あるいは対処しないのかもしれませんが)。

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