オーサリングツールやブラウザの実装、思想など、あまり HTML の文法とは関係のない Q&A
そんなことはありません。HTML2.x だろうと HTML4.01 Transitional だろうと、ちゃんと DTD に従ってマーク付けを行うのであれば全く問題はありません。
ただし、HTML4 では多くの要素や属性が「オススメ出来ない」とされています。それらの要素や属性が薦められないのにはそれなりの理由があるわけです。そのデメリットを理解した上であえて使うというのであれば、それはそれで問題ないでしょう。
HTML は日々進歩していて、様々な理由で要素が追加されたり廃止されたりしています。旧来の文書を新しい HTML に書き換える必要はありませんが、これから作る場合は、できるだけ新しい仕様に従った方が良いでしょう。2000/04/10 現在、HTML の最新バージョンは HTML4.01 です。
また、XHTML1.0 という仕様が存在し、XHTML1.1 がワーキングドラフトになっています。今後は XHTML が主流となって行くことが予想されますが、旧来の WWWブラウザとの互換性の点に若干の問題があります。今のところ、XHTML を使っている人はまだまだ少ないようです。
HTML 文書の先頭には <!DOCTYPE……
で始まる文書型宣言をつけなければなりません。これは、その文書がどのような文法で書かれているのか、といった情報(文書型定義、DTD)にリンクしています。多くの WWWブラウザはこの文書型宣言を無視するか、あるいは無視するかのように振る舞いますが、文書型宣言を利用する UA も存在します。たとえば文法チェッカがそうです。
Another HTML-lint をはじめとする文法チェッカは、文書型宣言を読んで、マーク付けがその文書型に適合しているかどうかを調べます。正しい文書型が宣言されていなければ、正しくチェックすることができません。チェッカを利用することには様々なメリットがありますから、それだけでも文書型宣言を記述するメリットはあります。
なお、最近では文書型宣言を読み、それによって挙動を変える WWWブラウザも出てきたようです。
W3C の仕様に従った HTML 文書は、そうでない物よりもより多くの人に快適に利用してもらえる傾向にあります。多くのユーザーやベンダーが W3C の提唱する仕様を支持し、それに従おうとしているからです。
それでも従いたくない、あるいは従えない理由があるのなら、無理に従わなければならないということはありません。特に、イントラネットやローカルマシンに留めておくのであれば、共通運用性も何も関係ありませんから、仕様など無視しても問題はないでしょう。
HTML文書というのは、マーク付けされたテキストデータに過ぎません。ですから、普通のテキストエディタを使って、テキストにタグを入れるだけで作ることが出来ます。
「HTML オーサリングツール」という物もあります。ユーザーはワープロのような操作感覚で「ホームページ」をデザインし、HTML はプログラムによって自動的に生成されるのです。
有名なところでは、IBM の「ホームページビルダー」、Microsoft の 「フロントページ」、Adobe の「ページミル」、dbソフトの 「ホタル」などがあります。また、一太郎やワードのようワープロソフトにも「ホームページ作成」機能があったりしますし、ブラウザとセットになって配布されているツールもあります。
しかし、これらのオーサリングツールの中でお勧めできるものはほとんどありません。最近の「ホームページビルダー」などはレイヤー(って何?)を使わなければそれほど酷くもないようですし、Dreamweaver なども設定によってはそれほど悪くないソースを吐き出すようではありますが、使い方によってはすごいことになります。
やはり HTML を勉強してテキストエディタで書くのが一番でしょう。
HTML は、文書のレイアウトを決定するものではありません。HTML で規定できるのは文書の構造と意味合いです。それをどう表現するかは、個々のブラウザやユーザーに任されます。
たとえば、ある場所を <H1> タグでマーク付けすると、その場所がレベル1の見出しであるということになります。これは、あるブラウザでは「太字の大きいフォント」で表現されますが、別のブラウザでは「文字サイズ・太さはそのままでセンタリング」になります。要は見出しを地の文と区別して目立たせることが出来れば良いわけで、どうやって目立たせるかは問題ではないのです。
もっとも、NN3 と NN4 というのは同じ会社のブラウザですから、表現方法にそれほど大きな差があるとは考えにくいところです。NN はバージョン 3 までスタイルシートに対応していなかったので、スタイルシートを使った文書はガラリと見た目が異なるでしょう。
いずれにしても、HTML文書に固有の見た目を期待することは出来ません。ブラウザによって違う見栄えになることをあらかじめ覚悟して、どのブラウザでもそれなりに読める文書を作るように心がけましょう。