BLOCKQUOTE で

BLOCKQUOTE の使い方

BLOCKQUOTE は他から貼り付けてきた引用部分を示すものです。たとえばこのように使います。

<P>以下のような意見もあります。</P>
<BLOCKQUOTE cite="http://www.ne.jp/asahi/minazuki/bakera/now/minazuki/alt.html">
<P>
結局のところ、ALT には作者が伝えたい内容を書けばいいのだと思
っています。ただ注意しなければならないのは、一口に画像と言っ
ても、その使い方は大きく二つに分けられるということです。
</P>
</BLOCKQUOTE>

cite 属性の値は引用もとの URL となっています。インターネット上のリソースから引用してきたのなら、これを記しておくのが礼儀と言うものです。親切なブラウザなら「出典へジャンプ」というコマンドが有効になるかも知れません。

さて、上記のソースを実際に貼り付けると、こうなります。


以下のような意見もあります。

結局のところ、ALT には作者が伝えたい内容を書けばいいのだと思 っています。ただ注意しなければならないのは、一口に画像と言っ ても、その使い方は大きく二つに分けられるということです。


どのように見えたでしょうか。多くの視覚系環境では、BLOCKQUOTE で囲まれた部分は、前後一行空き、左右が 20ピクセル程度インデントされた状態で表示されます。

そのため、BLOCKQUOTE を引用部分につかうのではなく、単に文章をインデントする目的で使う人がいます。しかし……。

BLOCKQUOTEの聞こえ方

これを読み上げで再生するときのことを考えて下さい。ただ平板に文章を読んでいったのでは、どこからどこまでが引用句なのか分かりません。引用部分を他とはっきり区別するには、たとえば、以下のようなスタイルを使う事が考えられます。

blockquote:before{
 content: "以下は引用です。";
 voice-family: "Announcer", female;
}
blockquote[cite]:before{
 content: "以下は" attr(cite) "からの引用です。";
}
blockquote:after{
 content: "引用終了。";
 voice-family: "Announcer", female;
}

このようなユーザースタイルシートを適用すれば、引用部にさしかかる際にアナウンサーの声で、あるいは女性の声で、「以下は引用です」「以下は http://…… からの引用です」などと読み上げてもらえることになります。引用が終わると「引用終了」と読み上げられます。

ところが、BLOCKQUOTE をインデントに使ったりしていると……。

<BLOCKQUOTE>
ようこそ○○のホームページへ!
</BLOCKQUOTE>

「以下は引用です」と読み上げられてから「ようこそ……」と読み上げられるという間の抜けた事態が発生したりします。下手をすると、段落ごとに「以下は引用」といわれることもあり得ます。

たいていの読み上げツールには「スキップ」の機能があります。「引用部は読まなくても良い、作者の意見だけを聞きたいと考えるユーザーは、「引用開始」と聞いた時点で行スキップの機能を使ってしまうかも知れません。

また、馬鹿な HTMLオーサリングツールは BLOCKQUOTE を何重にも入れ子にしてセンタリングのような効果を得ようとするようですが、環境によってはもの凄いことになります。

BLOCKQUOTE が利用できない

こういうことをしているサイトがたくさん存在すると、どうでしょう。ことあるごとに「引用です」と読み上げられることになりますが、それは引用ではない……こんなことが繰り替えされます。結局、「引用です」というアナウンスは信用できなくなってしまい、そんな読み上げはしない方が良い、ということになるのです。

もちろん、話は読み上げに限りません。引用符を付けて表示したいとか、枠で囲って表示したいとか、そういった希望も潰えてしまうのです。

現に、HTML4.0 では「BLOCKQUOTE に引用符をつけないように」というお達しが出ています。全くもって迷惑なことです。モバイル機器の非常に小さい画面では、インデント表示をするのがつらいこともあります。そんなときはどうやって表現したらいいのでしょうか? 引用符で表現するのがいちばんだと思いますが……。

BLOCKQUOTE はきわめて重要な要素です。研究レポートや学術論文といった類の文書には、精密な引用が欠かせません。そういう文書を利用する際には、引用の表現が非常に重要になってきます。

にもかかわらず、BLOCKQUOTE をインデントに使っている人々のせいで、「引用開始」という読み上げや、その他、引用であることを明示する表現ができなくなってしまう……お分かりでしょうか? WWW を遊びだと考えている一部の人々によって、WWW の学術的な利用価値が低下しているという事態が発生するのです。

もちろん、WWW で遊ぶこと自体は悪いことではありません……他人に迷惑をかけなければ。

結局

BLOCKQUOTE をインデントとして使うのは、単に恥ずかしいだけではありません。BLOCKQUOTE をインデント以外の方法(たとえば「以下は引用です」という読み上げ)によって知覚したいと考える人たちに不利益をもたらします。はっきり言えば、迷惑なのです。今すぐにでもやめてもらいたい物です。


鳩丸ご意見番

HTML鳩丸倶楽部

水無月ばけら, MINAZUKI Bakera
E-mail: bakera@star.email.ne.jp