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CMSのタイマー機能の制限に注意

2013年2月12日(火曜日)

CMSのタイマー機能の制限に注意

公開: 2013年9月16日11時20分頃

「国家検定ファイナンシャル・プランニング技能検定試験」の試験問題が事前に「公開」されてしまっていたそうで。

状況としてはこんな感じだったようですね。

研究会の説明によれば、本来なら試験実施後に公開するはずの試験問題のPDFファイルを、前もってWebサーバーにアップロードしていた。アクセス制限はかけておらず、URL(アドレス)さえ分かればインターネットを通じて誰でも閲覧できる状態になっていた。

しかも、PDFファイルのURLは「過去問」を掲載しているURLの試験日の部分を「20130127」と置き換えただけで、研究会のWebサイト利用者にとっては類推が容易だった(画面2)。URLを置き換えて試験問題を閲覧する方法は、ネット掲示板などを通じて一部受検者に知られていたようだ。

以上、FP国家検定の試験問題が漏洩、実施前の問題をWebサイトに“公開” より

ありがちといえばありがちな話ではあるのですが、興味深いのはその原因です。

具体的には、研究会のWebサイト担当者は、事前にサーバーに試験問題のPDFファイルを格納していた。コンテンツ・マネジメント・システム(CMS)のタイマー機能で試験問題の「目次」の公開日時を試験実施後に設定したものの、URL(アドレス)を直接指定すれば閲覧できるという認識は無かったという。

以上、FP国家検定の試験問題が漏洩、実施前の問題をWebサイトに“公開”(2/2) より

CMSのタイマー機能を使って、試験終了後に公開されるように設定したつもりだったわけですね。

ところが、そのCMSはおそらくHTMLの時限公開だけが可能で、PDFなどのファイルの時限公開はできないタイプだったのでしょう。PDFにリンクするHTMLは試験後まで公開されなかったものの、PDFは先にサーバーに公開状態で置かれてしまい、それが閲覧されてしまったというわけです。

CMSにもいろいろありますが、時限公開機能があるとうたっていても、有効なのはHTMLだけで、PDFなどのリソースはタイマー制御できないものがあります。CMSを使っている方は、HTML以外のリソースを時限公開できるものかどうか、一度確認されると良いと思います。

※ちなみに弊社のインダストリスタンダード (www.industry-std.com)は添付ファイルも制御できるタイプで、リンク元のHTMLが公開されるまではリンク先のPDFも公開されないようになっています。

関連する話題: Web / セキュリティ / CMS

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