水無月ばけらのえび日記

bakera.jp > 水無月ばけらのえび日記 > 10シーベルトと毎時10シーベルトは違うよぜんぜん違うよ

10シーベルトと毎時10シーベルトは違うよぜんぜん違うよ

2011年8月2日(火曜日)

10シーベルトと毎時10シーベルトは違うよぜんぜん違うよ

公開: 2011年8月7日18時30分頃

asahi.comにこんな記事が出ています……「過去最高10シーベルトを計測 福島第一の配管外側 (www.asahi.com)」。見出しからして嫌な予感がしていますが、

東京電力は1日、福島第一原子力発電所1、2号機の原子炉建屋の間にある主排気筒付近で、毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上の放射線を測定したと発表した。事故後に測定された放射線では最高値で、一度に浴びると確実に死に至る量だ。

「一度に浴びると確実に死に至る量」というのは何を言っているのでしょうか。ひょっとして、「毎時10シーベルト」を「10シーベルト」と勘違いしているのではないでしょうか。

「シーベルト」というのは被曝した量で、「10シーベルト」の被曝は致死量です。それに対して、「毎時10シーベルト」というのは線量で、その場に1時間いると10シーベルト被曝するという量です。つまり3600秒で10000mSvの被曝をするわけですから、たとえば18秒なら50mSvの被曝となります。すごい線量ですが、短時間であれば死に至ることはありません。「一度に浴びると確実に死に至る量」というのは間違いと言って良いでしょう。「一時間浴び続けると確実に死に至る量」という記述であれば正しいと思います。

これは要するに、「時速30キロ」という速さと「30キロ」という距離とを混同しているかのような間違いです。比べられないものを比べてしまうのは混乱を招きますし、ちょっと注意してほしいと思います。

関連する話題: 原子力 / 科学 / 思ったこと

最近の日記

関わった本など