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なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか

2011年6月15日(水曜日)

なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか

公開: 2011年6月25日21時40分頃

読み終わったので。

なんと本書の前半、半分以上はひたすら死刑事例を紹介するという、予想の斜め上を行く構成。昭和20年から平成20年まで、時代を追いながら、ただ淡々と死刑判決の事例が紹介されていきます。まあ、それはそれで興味深くはあるのですが……。結局、この膨大な事例から導き出されるのは「死刑の基準は一定不変ではなく、時代や世相に影響されて変化する」という事だと思うのですが、それをこのような形でやってのけるのが凄いと言えば凄い、ある意味、元裁判官らしいと思います。

その大ボリュームの前半に比べ、本論であるはずの後半はあっさり。議論の運びがこれまた淡々としていて、押しつけがましさがないのは好感が持てますが、逆にちょっと拍子抜けな感もあります。中立であろうとすることにこだわりすぎているのかもしれず、これまたある意味、元裁判官らしいと思いました。

タイトルの「なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか」に対する明確な答えがあるわけではないので、そこに期待して読むと拍子抜けするかもしれません。

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