情報を公開しないのはけしからん、というコンセンサス
2005年7月27日(水曜日)
情報を公開しないのはけしからん、というコンセンサス
「「備える心」が大事――カカクコムのインシデントから得られた教訓 (www.itmedia.co.jp)」というお話。
カカクコムの場合、こうした副作用リスクの中で一番心を痛めたのが、技術系メディアによる「詳細を公開しないのはけしからん」という論調だったという。
「公開することによるメリットもあるが、公表した場合のリスクが読めないことから言わないようにしていたが……」(遠藤氏)、結果として社員への心理的なダメージは相当大きかったという。原因や詳細の公表に関して同氏は「何らかの社会的なコンセンサスがあればよかったかもしれない」とも述べた。
社会的コンセンサスがあれば……というのはまるっきり逆なのではないでしょうか。既に「少なくとも大規模な個人情報漏洩が起きたような事例では、原因や詳細を公表すべきだ」というコンセンサスが形成されていて、だからこそ「公開しないのはけしからん」と叩かれたのではないかと思うのですが。
ちなみに、情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン (www.ipa.go.jp)にも以下のような記述があります。
脆弱性が原因で、個人情報が漏洩したなどの事案が起こったまたは起こった可能性がある場合、二次被害の防止および関連事案の予防のために、以下の項目を含むように公表してください。また、当該個人からの問い合わせに的確に回答するようにしてください。
・ 個人情報漏洩の概要
・ 漏洩したと推察される期間
・ 漏洩したと推察される件数
・ 漏洩したと推察される個人情報の種類(属性など)
・ 漏洩の原因
・ 問合せ先
ガイドラインにこのような規定があるのは、個人情報が漏れたら情報公開すべし、というコンセンサスの表れと見て良いのではないでしょうか。もっとも、ガイドラインのこの部分が守られたことは一度もないと思いますが……。
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