用語「here症候群」について
here症候群 (ひあしょうこうぐん)
話題 : アクセシビリティ
「○○はこちら」などと書いて、「こちら」部分をアンカーにしてしまうという病。英語圏の患者は Click here! と書いて "here" 部分をアンカーにしてしまいますので、The "HERE" syndrome (here症候群) などと呼ばれます。
音声系のブラウザにはアンカー部分だけを抽出して読み上げる機能があったりします。たとえば「IBM ホームページ・リーダー」には「リンク読みモード」というものがあって、ページを読み上げ終わったあとにリンクの所だけ読んでもらうような使い方ができます。この機能は便利なのですが、here症候群に侵されたページでは「こちら」「こちら」「here」「here」が連発されることになって使い物になりません。
このようなページは音声に限らず、リンク部分だけを抜き出して利用するようなユーザエージェント全てで使いにくいものとなります。たとえば、サーチエンジンはアンカー部分の単語に重み付けをするかもしれませんが、「こちら」が連発されていては正しい評価ができないかもしれません。
また、普通に視覚系のブラウザで利用していても、リンク先の内容が想像できるような言葉がアンカーになっていた方が分かりやすいでしょう。
そのような理由で、here症候群はアクセシビリティを低下させる要因の一つと考えられています。「○○はこちら」と書くかわりに、「○○をご覧ください」と書いて「○○」をアンカーにするなどして、here症候群を回避することが望ましいでしょう。
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