用語「プライベートアドレス」について
プライベートアドレス
話題 : ネットワーク
IP アドレスはインターネット上で通信先を同定するために使用されますので、同じ IP アドレスのものが複数存在しているとマズいことになります。そのため IP アドレスはユニークでなければならず、同じ IP アドレスが複数存在することはありません。このような、インターネットで通用するユニークな IP アドレスを「グローバルアドレス」と呼びます。
しかし、IP アドレスは有限です。LAN などで TCP/IP を使うのにもいちいちグローバル IP アドレスを使っていると足りませんし、割り当てて貰うのも面倒です。LAN 内だけで使う分には LAN 内でユニークなアドレスがあれば足り、他組織内の LAN で同じアドレスが使われていても問題はありません。
というわけで、いくつかの IP アドレスを「プライベートアドレス」として、特定のネットワーク内部だけで使うことにしています。このアドレスはグローバルアドレスとして使用されないことが保証されていますので、LAN 内で自由に使ってもグローバルアドレスとバッティングしたりすることがありません。RFC1918では、以下の 3種がプライベートアドレスとして定義されています。
- 10.0.0.0 - 10.255.255.255 (10/8 prefix)
- 172.16.0.0 - 172.31.255.255 (172.16/12 prefix)
- 192.168.0.0 - 192.168.255.255 (192.168/16 prefix)
3種のどれを使っても構わないのですが、それぞれ扱えるネットワークの規模が違います。
10. で始まるものはクラス A のネットワークに相当するもので、約 1678 万の IP アドレスを割り振ることができます。しかしほとんどの場合、それほど大量のアドレスを使用する必要はないでしょう。192.168 で始まるものでも 約6万5000のアドレスを扱うことができますが、たいていはこれで十分ですので、これが使われている場合が多いようです。
プライベートアドレスは限られたネットワークの内部でしか使えませんので、プライベートアドレスを割り当てられたコンピュータが、そのアドレスをそのまま使ってインターネット上のネットワークと通信することはできません。インターネットに出ていくときは NAT (Network Address Translation) でグローバル IP アドレスに変換して通信することになります。
なお、127.0.0.1 のようなものもインターネットに出せない IP アドレスですが、これは「ループバックアドレス」と言って、また少し扱いが違います。
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