カンニング少女
2009年6月5日(金曜日)
カンニング少女
公開: 2009年6月6日22時0分頃
表紙の絵だけ見て買った。後悔はしていない。
- カンニング少女 (www.amazon.co.jp)
ちなみに表紙絵は「世界の終わりの魔法使い (www.amazon.co.jp)」の西島大介氏。
内容ですが、なかなか面白くて良かったです。カンニング手法を考えるのは、脆弱性を見つけて攻撃手法を考えるのに通じるところがありますね。前半まで読んだところで「私ならこういう方法を考えるけどなぁ」と思っていたら、そのまんまの手法が出てきてのけぞりました。
以下、各カンニング手法の考察などをメモ。ネタバレ含みますので未読の方はご注意ください。
最初のカンニング
デジタル時計つきシャープペンシルの液晶部分に、QRコードの内容が表示されるツール。
これは大変そうですね。「デジタル時計付きペン (qprc.web.infoseek.co.jp)」を見ると写真が出ていますが、この大きさの液晶にマーキー表示では、読むのにかなり時間がかかるはずです。しかも、仕込まれた50個のQRコードのうち、どれにどのような情報が入っているのか覚えていないといけないわけで。
あと、そもそも下敷きが許可されていること自体が珍しいような気がします。許可するとしても無地のもののみとして、絵のついた下敷きはNGとされる可能性が高そうに思いますけれど……。
※巻末あたりに「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です」と書いてあるのかと思いきや、ノークレジットでしたね。
模試のカンニング
カメラ・プロジェクター付きメガネ。QRコードリーダーの話で、「そんな小型カメラが実装できるならメガネに仕込めば……」と思っていたら実際に登場しましたね。
定期試験では使えないと書かれていますが、メガネを2つつくって相互に映像をやりとりできるようにし、片方を愛香が装着すれば良いでしょう。そうすれば、玲美は任意のタイミングで愛香の答案を見ることができるようになります。
いきなり眼鏡をかけると怪しまれるという話も出ていますが、「普段はコンタクトなんだけど、試験の時はメガネをかけるようにした」などと説明すれば良いだけでしょう。むしろ、本番だけメガネを装着するというほうが変で、リスクが大きいはずです。受験票に顔写真がつく場合、受験票の写真もメガネをかけた状態で撮らないといけませんし……。
本番のカンニング
……って、杜夫のあの技が成立するということは、受験票に顔写真はついていないようですね。カンニング以前の問題として「替え玉受験」という攻撃手法が存在しますので、多くの大学では受験票に顔写真を添付するようにしているはずです。鈴村女史、妨害電波なんかより先に、「受験票に顔写真をつける」という提案をした方が良いのでは?
あとネットワーク関係ですが、32hinode-bbc.get.comは「IPアドレス」じゃないですよ……。ちなみに当然ですがget.comは実在します。
それから145.122.213.*というIPアドレスが出てきますが、145.122.0.0 - 145.122.255.255はオランダのsurfnet (www.surfnet.nl)というところが持っているようですね。架空のIPアドレスを用意するのもけっこう難しいですよね。
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