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ビジネス・アーキテクツのマークアップエンジニア

2009年4月19日(日曜日)

ビジネス・アーキテクツのマークアップエンジニア

公開: 2017年9月26日23時30分頃

「HTMLやってる」人を何と呼ぶ? (slashdot.jp)」。

一口に「HTMLやってる」と言っても、そのレベルはピンキリだと思いますが。特に、「アクセシブルなHTMLを書くことができる」とか、「企業サイトのガイドラインの作成や監修ができる」という人は、それほど多くないように思います。HTMLを専門にしている人は、HTML4の仕様を読んでいるのはもちろんのこと、WCAGなどの周辺の仕様にも精通しているわけで、その部分の差はけっこう大きいでしょう。

ところで、世間にはマークアップエンジニアという言葉があって、「第1回 マークアップ・エンジニアって何? (itpro.nikkeibp.co.jp)」によると、以下のようにあります。

マークアップ・エンジニアという言葉は,Web制作会社であるビジネス・アーキテクツの森田 雄(もりた ゆう)氏が考えた言葉です。森田氏は自社の求人情報の原稿を考えている際に,コーダーという名称はどうなんだろうなぁ,と思ったそうです。コードという言葉はプログラミング言語という意味合いも含みますよね。コーダーはプログラムを書いている訳でもないしなぁ,と悩んでいた際に,マークアップ・エンジニアという言葉を思いついたそうです。

と、他人事のように引用してみましたが、かく言う私はまさにその瞬間ビジネス・アーキテクツでマークアップ・エンジニアの仕事をしていたわけで、マークアップ・エンジニアの元祖と言っても良いでしょう。いまさら感がありますが、ここでマークアップ・エンジニアとその仕事の移り変わりについて、少し書いておきたいと思います。

HTML4.0が勧告となったのは1997年12月18日のことです。HTML4ではスタイルシートが使えるようになり、要素のレイアウトなどのビジュアルデザインを定義することができるようになりました。実はHTML3.2ではそういうことはできなかったので、table要素を使ってレイアウトっぽいことを擬似的に実現するという方法が使われていました。いわゆるtableレイアウトです。

20世紀中はまだNetscape4が現役で、企業サイトなどではまだtableレイアウトが使われている時代でした。その頃の企業サイトのマークアップ作業はどういうものかというと、作業者にページ単位で作業を割り振って、1ページずつ個々に作って行くというやり方でした。ヘッダ・フッタは共通であるものの、コンテンツ内の個々の要素配置は個々のページごとに行っていたため、それで良かったのです。

このときはたぶん、HTMLを書く人は普通に「コーダー」などと呼ばれていました。

21世紀になるとNetscape4が廃れ、スタイルシートを使った企業サイト構築が一般的になってきます。そうすると、従来のようにページ単位で作業を割り振るやり方は通用しなくなってきます。スタイルシートはサイト全体に共通のスタイルを適用しますから、ページごとにめいめい勝手に作るというやり方ではうまく行かないのです。一人ですべてを作るのなら何の問題もありませんが、大規模な企業サイトを一人ですべて作るのは現実的ではありません。どうやって作業を分担するのかが課題になります。

必然的に、事前にきっちり設計しておいたものを展開する、という流れになってきます。弊社では、事前に設計されたパーツを「コンポーネント」と呼んでいますが、コンポーネントを設計するという役割と、コンポーネントを実際に展開してページを作成するという役割、この二つができてくるわけです。

※さらに時代が下るとCMSというものが普及してきますが、展開するのが手からツールになっただけで、やっていることはほぼ同じです。

というわけで、単にHTMLを書くのではなく、全体を見ながら設計するという作業が発生します。こうなってくると、その仕事をする人を「コーダー」と呼ぶのは違和感があります。違うことをしているのですから、違う言葉で呼ぶべきでしょう。

最近ではマークアップ「デザイン」エンジニアという呼び方をしていますが、それはやはり、単にHTMLを書くのではなくて、設計する、デザインするということに主眼をおいた仕事になってきているからなのだと思います。

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