水無月ばけらのえび日記

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忘れる人

2001年11月15日(木曜日)

忘れる人

大筋では同意できるのですが、

確かに、彼等に対してひどい事をアメリカはしているのですが、先にも書いたように、テロは現状に対する怒りが元になっていると考えています。空爆された記憶が新しいうちには、それを理由としたテロは起こりうるでしょうが、数年後には怒りの感情は消えると予想します。

怒りが残るとしたら、空爆された結果のひどい「現状」が残った場合だと思います。

以上、TOM nekoさんのひまつぶし日記 より

うーん、日本人らしい発想と言うべきか、確かにそういう考え方もありますね。「戦後補償として金を払ったんだから良いじゃないか」などと主張する人なんかはそういう考えに基づいているのかもしれません。いや、もちろん TOM neko さんがそうだと言うわけではないのですが。

中国にも、韓国にも、そして日本にも、過去に起きた出来事を忘れている人はいるでしょう。しかし家族や友人が命を失ったりすれば、いくら暮らしが良くなっても忘れることは決して無いという人もいることでしょう。誰も死なない空爆なら、後で壊した物を修理してくれればそれで良いかもしれません。しかし、そんなことはありえないのです。

やったほうはつごうよく忘れても、やられた人たちは忘れていませんから

この怒りを解消するものがあるとすれば、それはお金ではなくて、やった側の真摯な反省と、それを二度と繰り返さないと言う誓いなのではないかと思うわけなのですが……。※状況は全く違いますが、発言できない理由 (www.ne.jp)なんかを連想します。

まあ、それはそれとして、私が言っているのは、こういう人々が自ら起ってテロを起こすということではなくて、全く別の理由でアメリカに対して対立するテロ首謀者によって利用されるであろうということです。

たとえば、原爆を落とされた広島・長崎の市民が感じた「怒り」を、ビンラディン氏は自らの発言の中で引用しています。もちろん、広島や長崎の市民がテロを起こしたわけでもなければ、テロを支援したわけでもありません。しかしながら、この引用はビンラディン氏の正当性を強化する大義名分として使われ、テロリズムに説得力を与えているのです。

もちろん、この責任は広島・長崎の市民にあるのではなく、旧日本軍にあるのでもなく、アメリカにあります。

私が言いたいのは、これと全く同様にアフガン空爆の事実も利用できると言うことです。将来のアメリカに対するテロに大義名分を与えるなと言いたいのです。

単純に、貧しい国からテロリストが出るって考えじゃありませんけども。

以上、TOM nekoさんのひまつぶし日記 より

それは全く御意。一つ指摘しておきますと、貧しいアフガンの人々はテロを実行したり指示したりはしていないはずです。そもそもそんな余裕などないでしょう。あのテロを支持した(と、アメリカが言っている)ウサマ=ビンラディン氏は、大富豪です。

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