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テロリストの目的

2001年11月7日(水曜日)

テロリストの目的

アルカイダのテロに限ってですが。彼等が最も不快なのはサウジアラビアという聖地に、異教徒であるアメリカの軍隊が駐留してるって事で、サウジから引き上げるって事は、イラクから手を引くって事でもありますね。パレスチナ問題に対する言及はおまけだそうです(生テレビの複数の出席者によれば)。

以上、TOM nekoさんのひまつぶし日記 より

御意。

そもそもウサマ・ビンラディン氏が湾岸戦争の際に異教徒の群を駐留させたとしてサウジアラビア政府を激しく非難し、そしてサウジを出たというのは有名な話ですし、アルジャジーラに流れたビンラディン氏のテレビ演説の中にも、サウジ駐留米軍の撤退を求めるような部分もあります。

米国民よ、私は神に誓う。パレスチナに平和が訪れない限り、異教徒の軍隊がムハンマドの地から出ていかない限り、米国に平和は訪れない。

以上、asahi.com ビンラディン氏のビデオ発言要旨 より

というわけで、彼らの主張の大きな部分をその問題が占めているという点については同意できます。

※とはいえ、それが全てというわけではありません。ウサーマのインタビュー (homepage2.nifty.com)などというリソースが参考になるかも……?

で、私が言っているのは、この条件が呑まれたとして、それでアルカイダによるテロがなくなるか疑問だと言うことです。空爆前であってもそれだけでは終わらない気がしますが、今から米軍が撤退しても間違いなく駄目でしょう。「サウジに駐留する異教徒が聖地を侵している」というのは聖戦(ジハード)の理由の一つでしたが、「異教徒が罪の無い同朋を空爆で殺している」というのもまた、聖戦(ジハード)の理由の一つとなるからです。

もちろん、理由があるからと言ってテロ行為を許すことは出来ません。それは私たちにしてみれば、理由ではなく単なる口実です。私が言いたいのは、テロリストに少しでも口実を与えるべきではないということ、この空爆は立派な口実となるということです。アメリカは、「同胞を殺されたら、それを理由として武力を行使して良い」という理論を実践しています。言い過ぎを承知であえて言うなら、「同胞を殺されたら、それを理由として武力を行使して相手を、そして相手に協力するものを殺さなければならない」という理論を実践している、とさえ言えます。テロリストは間違いなくこれを引用するでしょう。

※ビンラディン氏が、その声明の中で原爆を引用しているように……。

大規模なテロ行為というのは一人では出来ません。必ず支援者がいます。テロを支持、支援する人々の数が多ければ多いほどテロはやりやすくなります。アメリカの空爆は今いるテロリストを殺しますが、将来のテロリストとその支援者を大量に増やしています。彼らがテロを行おうとするとき、今回のアフガン空爆が引用されるのは間違いないでしょう。

もう少し言うと、実行犯は後付けでそのへんからオルグして引っ張ってくることができるので、支援者の存在の方がずっと重要です。その意味ではアメリカがタリバンを非難するのは間違ってはいないと思うのですが、武力行使は逆にテロリズムに説得力を与えるだけです。

関連する話題: 思ったこと / テロ / 政治 / 思想 / もののけ / TOM nekoさん

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