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2012年7月17日(火曜日)

Tポイント、医薬品の情報まで取得

公開: 2012年7月28日23時10分頃

こんな記事が……「Tポイント、医薬品の購入履歴を取得 販促活動に利用 (www.asahi.com)」。

ドラッグストアでTポイントカードを提示すると、購入した医薬品の名前がCCCに送られるというお話。CCCは会員規約に書いてあるからOKと主張しているようですが、興味深いのはこの話。

また、Tポイントに加盟する首都圏などのドラッグストア「ウエルシア」4店舗で、朝日新聞記者がCCCに送信する情報の説明を求めたところ、3店舗で薬剤師や店員が「Tポイントの計算に必要な購入金額だけを送っている。医薬品の商品名は送っていない」と事実と違う説明をした。

以上、Tポイント、医薬品の購入履歴を取得 販促活動に利用 より

4店舗中3店舗で、店員や薬剤師が事実と異なる認識をしていたという。店側でさえこういう状況なので、顧客がきちんと理解して情報の送信に同意しているとは考えにくいですね。いいかげん、「規約に書けばOK」という考え方は捨てないとまずいでしょう。

薬剤師が事実と異なる説明をしたのは、商品名を送ることが法に触れると知っていて、そんな違法なことが行われているはずがない、と考えたからなのかもしれません。記事にもありますが、

〈厚労省の医療機関などでの個人情報保護検討会で構成員を務める鈴木正朝・新潟大大学院教授(情報法)の話〉 薬剤師や医薬品販売業者が正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らすことを禁じる刑法134条に抵触し、秘密を漏らした罪に当たり得る。口頭、書面だけでなく、情報システムを通じた医薬品名のデータ送信も罪となる。客だけでなく、店員すら商品名がCCCに渡っている事実を理解せず、事実と異なる説明をするケースがある以上、Tカード提示を客の同意とみることはできない。

以上、Tポイント、医薬品の購入履歴を取得 販促活動に利用 より

と、刑法に抵触する可能性がある話です。ちなみに刑法134条は以下のような条文です。

第百三十四条  医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

以上、刑法134条 より

店内で完結するポイントシステムとは異なり、Tポイントでは他社に情報を送ってしまわけで、それが「正当な理由がないのに……人の秘密を漏らした」ということになる可能性はあるでしょう。

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