2008年12月7日(日曜日)
六枚のとんかつ
公開: 2008年12月8日1時5分頃
読み終わったのでメモ。
- 六枚のとんかつ (講談社文庫版) (www.amazon.co.jp)
うわー、馬鹿だ……(ほめ言葉)。
お馬鹿で、ふざけた作品です。そして下品 (性的な意味で)。基本的にはパロディ路線のお馬鹿な話がメインですが、玉石混淆で良質なミステリも含まれている感じです。
以下、各話についてのメモ。ネタバレ含むので注意。
File No.1 音の気かがり
うわ、いきなりボキャブラ天国……。ボキャブラ天国は好きで見ていたので、いきなりバレてしまいましたが。
File No.2 桂男爵の舞踏会
壁に同化して気づかないなんて、んなことあるかいっ! と、笑いながらツッコミ。
File No.3 黄金
私も金庫だと思ったのですが……。オチはちょっとひどい。出獄する前に時期が来て交換されてしまったらどうするのよ。
File No.4 エースの誇り
特注の体重計ってこれまたお馬鹿な。しかし、このトリック(?)はちょっと面白かったです。
File No.5 見えない証拠
けっこう無茶なダイイングメッセージ。いや、普通に捜査すればこの犯人は挙がるでしょうけれど。
File No.6 しおかぜ17号四十九分の壁
来た、本格派トラベル・ミステリー!
……と思いきや、この結末は何だっ、おちょくってるのかーっ!! あまりのアホな展開に爆笑。
File No.7 オナニー連盟
有名なシャーロック・ホームズの「赤毛連盟」のパロディですが、どうしてここまで下品にできるのかと。
ノベルスでは下品すぎるという理由でカットされていたらしいですが。
File No.8 丸ノ内線七十秒の壁
70秒のアリバイトリック。これはお見事の一言ですね。この作品だけ取り出すと、まともなミステリになりそう。
File No.9 欠けているもの
ミロのヴィーナス。まあ、普通ですかね。
File No.10 鏡の向こう側
オチがイマイチ分からず。この図は何? 猪木?
File No.11 消えた黒いドレスの女
これはすぐに分かりましたが、すぐに分かった自分が恥ずかしく思えるのはいったい……。
File No.12 五枚のとんかつ
最初の作者注が笑えました。占星術殺人事件 (www.amazon.co.jp)は読んでいるので大丈夫。
File No.13 六枚のとんかつ
五枚のとんかつとトリックは同じ (と、五枚のとんかつの冒頭で述べられている)。話の展開まで使い回しというやる気のなさが笑えます。わざとだと思いますが。
トリックとしては、私はこちらの方が好きですね。
File No.14 「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」を読んだ男
密室の謎を解こうとしたら密室に閉じこめられる、という話。ジョン・ディクスン・カーを読んだ男 (www.amazon.co.jp)は未読なので元ネタが分からず……。
最後のエピローグ
「しおかぜ17号四十九分の壁」のセルフパロディ(と言うのか?)。
どう見ても違うだろ、今度は騙されないぞ……と思ってページをめくったら、終わりかよ! 反則でしょこれ……。一番笑いました。
ボーナス・トラック 保険調査員の長い一日
デジタル時計のトリック。このトリックは分かりました。正直無茶なトリックだと思いますが、ここまで来るともうこれしかないという感じですね。
いやー、いろいろな意味で凄い作品ではあると思います。
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