2003年5月5日(月曜日)
六本木ヒルズ奮戦記
地図というものは、自分がどこにいてどちらを向いているのかが分からないと役に立たないのですね。
実は、特に用もないのですが、話題のようなので一度行ってみようか……と、みいちゃんはあちゃんな動機でもって六本木ヒルズ (www.roppongihills.com)へ行ってみたのです。
昼前、大江戸線で六本木駅へ。予想通りというべきか、「六本木ヒルズ」の文字と共に矢印の書かれた紙がそこらに貼ってあったので迷いませんでした……というか、人が流れる方向にそのまま流れていけば OK という噂もありましたが。ホームに降りた時点で、既にものすごい人、人、人。地上までの道のりの間に、「エスカレータは混み合いますのでどうぞ空いている階段をご利用ください」と連呼する駅員さんの姿も。
※しかし当然なんですが、この手の張り紙って白い紙に黒とか赤のペンで字が書いてあるだけなので、あまり良い印象はありませんね。人出があることは予想できるでしょうから、ちゃんとしたロゴが入ったそれ用の紙を六本木ヒルズ側で用意しておいたりすると良い感じになると思うのですが……。そういう対処ってできないものなのでしょうか。
で、地上へ出て、そのまま人の流れについて歩きます。周囲の人は上を見上げて盛んに「何か」を探しています。もちろん、探しているのはそびえ立っているであろう「六本木ヒルズ森タワー (www.roppongihills.com)」でしょう。しかし、周囲には大きな建物が林立していて見通しがきかず、なかなかそれらしい建物は見えてきません。
※実は、ここで視界を遮っていたビルは「ZONE 六本木」で、これは既に六本木ヒルズの一部だったりします。
本当にこっちで良いのか、と思い始めた頃に開けた場所に出ました。左手を見ると見えました、テレビなどで見覚えのある森タワーが。
その入り口付近でフロアガイドなるものを配っている人がいたので、迷わず入手。見てみると、どこかで見たようなキャラと、見たことあるようで微妙に見たことのないロゴが……。これって正しいロゴなんでしょうか?
※……とその時は思ったのですが、後で調べたところ、六本木ヒルズのロゴにはいくつかのヴァリエーションがあるのですね。フロアガイドに使われているのは「Roppongi Hills : ロゴについて(6つの輪) (www.roppongihills.com)」の 2つめのパターンですが、こういうのを知らないと違和感あります。
そんなわけで目的地に到着です。さてここからどうしようと、フロアガイドを見るのですが……これがまた、どうしたら良いのやらさっぱり分かりません。このフロアガイド、本当にフロアガイドでしかない代物で、見所だとかオススメのポイントといったようなものは全く出ていないわけです。目的の店が明確になっていればそこには行けるのでしょうが、目的がはっきりしない場合は何の役にも立ちません。
とりあえず「森タワー」の内部に進入してから考えようということで、建物に正面から接近してみました。……が、入り口は閉鎖されていて入れず。ここは正面ではないのでしょうか? ちょっと横に回ってみると、開いている入り口と、「東京シティビュー 20%割引」などと書かれた青いのぼりが。
※「東京シティビュー」というのは、六本木ヒルズの展望台の名称です。Web サイト「東京シティビュー/TOKYO CITY VIEW (www.tokyocityview.com)」もあります。……どうでも良いですが、"JAPANESE POP UP MODE" って何……?
遠い祖先が樹上生活をしていた名残でしょうか、人間、高いところには上りたくなるもの。まっすぐに、そののぼりのある場所に向かっていきました。しかし、近づいてみるとどうも様子がおかしく、そのカウンターで人々は何か書いていたりします。展望台に上がるのに記帳が必要という話は聞いたことがありません。よく見ると、どうも何かのカードに入会すると東京シティビューの入場料が割引になる、という話のようです。つまり、ここはチケット売り場ではないのです。紛らわしい……。
脇の入り口から中に入ってみると、大きなカウンターが。ここでチケットが買えるのかと思いきや、ここはインフォメーションセンターで、東京シティビューとは関係ないようです。入り口を一つくぐって隣にもカウンターがありましたが、そちらは「六本木ヒルズツアー」とやらの受付らしい様子。タワー内部を一巡してみましたが、どこにも東京シティビューの入り口らしきものはありません。
先ほどもらったフロアガイドを見ても、どういうわけか東京シティビューの事は全く書かれていません。フロアガイドはあくまでテナントの紹介だけで、展望台などの作りつけの施設については説明していないということなのでしょうが……。
展望台なんだから上にあるのだろうと上に行ってみましたが、6階にレストラン街があってそこでストップ。ものすごい行列ですが、どれも食事のための行列で、やはり東京シティビューとは関係ないようです。1階に戻ってくると、エスカレーター脇に「東京シティビュー」の文字の書かれた矢印を発見! その通りに行くと……先ほどのインフォメーションカウンターに戻ってきました。
おかしい、ひょっとして森タワーとは関係ないところにあるのか、などと思いつつ聞いてみると、建物の外に行列が出来ているはずだから分かると言われました。外に出てみると……行列もなにもそこら中が人だらけなのですが、行列の最後尾を示す看板らしいものを持っている人を発見。果たして、そこが東京シティビューに上ろうという人の行列最後尾でした。
……たどり着くのは困難でしたが、東京シティビュー自体は楽しめました。人のバリアが凄かったですが、それをかき分ければ見晴らしは良く、東京タワーが低く見えました。チケットを買ったときに貰ったパンフレットも良くできていて、東西南北4方位それぞれについて目立つ建物の名前が分かるようになっています。これは便利です……自分がどちらを向いているかさえ分かれば。
※東京シティビューの建物自体には方位の表示が何もないので、方位磁針でも持っていない限り、まずは自分が見ている方角を同定する作業が必要となります。
その後もいろいろとぶらついてみましたが……どういうわけか、ここで私が思い出したのは東京ディズニーランドです。最後に行ったのは 10年も前の話なので、情報が古い上に記憶が曖昧ですが、東京ディズニーランドには中心にお城があって、周囲は4つの区画に分かれていたはずです。それぞれの区画にはテーマに沿った名前が付けられていて、アトラクションもテーマごとに分類されて配置されているため、近くのアトラクションを見れば、それだけで自分がどの区画にいるのかはっきり分かります。さらに中心に目立つお城が据えられているので、これで自分の位置がだいたい分かります。お城には前後があって、正面を向いて建っているというのもポイントです。
……さて六本木ヒルズですが、区画は5つに分かれています。「ゾーン六本木」(エリア略称 "ZR")、「メトロハット/ハリウッドビューティプラザ」(MH)、「六本木けやき坂通り」(KD)、「ウェストウォーク」(WW)、「ヒルサイド」(HS)。
一見、ちゃんと整理されているように見えるのですが……。
- 5つの区画の位置関係が微妙に複雑です。東京ディズニーランドの区画は敷地を4分割した右上、右下、左上、左下にそれぞれ位置していて、その位置関係は明快です。しかし六本木ヒルズのこれは、それぞれどこに配置されているか、地図も何も見ないで説明しろと言われても困難です。
- 区画の名称が直感的ではありません。「ウェストウォーク」って……何?
- しかも驚くべき事に、地図を見ると区画が重なり合っている!?
どうもこの区画、何かのテーマに結びついているわけではなく、単純に「ある建物と、その周辺」に便宜的につけられた名前のようです。東京ディズニーランドと比べる方が間違っている感じなのですが、区画分けがナビゲーションとしては機能していないのに、フロアガイドなどは区画ベースで書いてあるので混乱します。
たとえばフロアガイドを見て、目的のお店が「ゾーン六本木」に属していると分かったとします。ともかく「ゾーン六本木」へ移動すれば良いのだな、と思ってさて移動しようとすると、どちらへ行けば良いのかさっぱり分からないわけです。そこでフロアガイドを見直すと、「ゾーン六本木」というのが北の方にあるらしいことは分かります。そして唐突に気づくのです。その情報を利用するためには、自分が今どこにいて、どちらを向いているのか把握しないといけないのだということに。
森タワーが目印になる、と思ったらこれが大きな間違いです。そもそも建造物が密集しているため、タワーはなかなか見えません。見えたとしても、森タワーはどちらが正面なのかわかりにくい建物なので、方角の目安がつかないのです。
欲しいのは現在位置と、各エリアの方角を記した案内です。しかしそれがありません。案内はあるのですが、それはたいてい目の前の建物内部の案内で、広いエリア全体の案内は無いのです。
※ひょっとすると、あるのかもしれません。人混みで見えなかっただけかも……。
しかも、出ている案内が微妙におかしいことがあります。「グランドハイアット東京」と書いてあるところがあったので、そちらに行ってみたら、出たところは駐車場……。確かにグランドハイアット東京の中なのかもしれませんが、そういう結果は期待していませんでした。
※グランドハイアット東京は六本木ヒルズ内のホテルです。これまた「グランドハイアット東京 (www.grandhyatttokyo.com)」というサイトがあります。
かなり彷徨ってたどり着いたのが「ゾーン六本木」。外れの方なので空いているかと思いきや、どこも長蛇の列。2時過ぎているのに……。結局、30分ほど並んでカプリチョーザ (www.roppongihills.com)に入りました。シーザーサラダが想像を絶する大盛りぶりでしたが、食事はおおむね満足。ちゃんと禁煙席があったので、残念な思いもしませんでしたし。
※全く関係ありませんが、こんな風にリンクしているリンク先に「このウィンドウを閉じる」とか「ブラウザの閉じるボタンでこのウインドウを閉じてください」なんて書いてあったりすると脱力ですね。これを見て、他の店も見てみたいと思ってもナビゲーションはありませんし……。レストラン一覧 (www.roppongihills.com)のページならちゃんとナビゲーションがあるのですが、そのような形でリンクするのにはふさわしくないですし……。もう、「別ウィンドウ」という発想自体が致命的に駄目っぽい感じがします。
……教訓としては、「六本木ヒルズで迷ったら、そこらのスタッフっぽい人に聞いた方が早い」ということでしょうか。地図とか、表示とかにはあまり頼らない方が良いかもしれません。
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